山本地方創生相は“京産大外し”の意図を自ら明言していた
嘘をつき、その嘘に正当性をもたせようとした結果、馬脚を現してしまう……。じつのところ、山本地方創生相はこの間ずっとこの調子で、辻褄の合わない話をしたり、ちゃぶ台をひっくり返したり、部下に罪をなすりつけたり、はたまた逆ギレしたりと、大臣の信用を自分から投げ出しているとしか思えない言動を繰り返している。
たとえば、3月30日の段階では、山本地方創生相は「空白地帯にある今治市を優先したのは事実」「日本全国をブロックごとに見て、獣医学部がないところをまず優先する」と言い切っていた。それが6月9日には「京都産業大学を対象外にした感覚はない」と一転させた。
だが、これが嘘であることはもうすでにバレている。「京産大は対象内」であるにもかかわらず、加計学園や今治市が遅くとも昨年8月から「2018年4月開学」という情報を共有していた一方、京産大は先日の会見でも述べたように、今年1月の内閣府の告示で最終的な開学スケジュールを知り、その日程では無理だと諦めたのだ。しかも、京産大はスケジュールについて「内閣府からの連絡は聞いていない」と話しているが、山本地方創生相は「(京産大にも今治市と)同様の趣旨のものを送っている」と強弁しながら「メール自体は確認していない」と言うのである。誰にでもわかるが、京産大に嘘をつく理由は何もない。山本地方創生相が虚言を弄しているのだ。
また、学部新設の条件に「広域的に」「限り」という事実上、加計学園しか選べない文言を萩生田光一官房副長官の指示によって加えたことを示すメールの存在が発覚した翌日の6月16日、山本地方創生相は「私の指示で内閣府において入れた」と言い張った。官僚が何の関係もない萩生田官房副長官の名前を間違って記載したとは到底考えられないが、それはともかく同日の午前に開かれた参院内閣委員会で山本地方創生相の「なぜ『広域的に』という文言をわざわざ入れたんですか?」と問われ、以下のように述べた。
「もともと獣医師系の大学のないところで限定しようという意図でやっているわけでありますが、文科省等の意見のあいだでですね、それだけではまだほかにもですね、ほかにもいろんなところででき得る可能性も出てくるじゃないかと。そういう意味からですね、『広域的』ということで、少し広げて制限しようと考えたわけであります」
ほかの大学を「制限」するために「広域的に」という文言を追加した。これこそが「京産大外し」であり、獣医師会との面談で語った「放っておくと京都なども続く」という脅しの発言とも齟齬がない。このときも必死にその場を取り繕っているうちにうっかり本当のことを語ってしまったのだろうが、その後は安倍首相が「獣医学部全国展開」発言を行うと、山本地方創生相はあっさり「全国展開するのは原則。総理は原則に従って言っただけ」などと前言と矛盾した発言をしている。