「マスコミは沈黙していましたが、ネットでは帰国しないことに対する批判の声が高まっていましたし、週末の世論調査で、支持率のさらなる低下が判明した。それで、慌てて帰国するという決断をしたのでしょう」(全国紙政治部記者)
ようするに安倍首相の1日だけ早い帰国は被災地を心配しているわけでもなんでもなく、たんに災害を自分の人気取りに利用するパフォーマンスに過ぎないことがバレバレなのである。
実はその行動には、唯一、訪問中止になった当事者国であるエストニアも不快感を持っているようだ。
安倍首相が訪問中止を発表した後の10日、在日エストニア大使館の公式ツイッターが、安倍首相の前倒し帰国を報じるNHKのニュースについて、以下のようにツイートした一般ユーザーをリツイートしたのである。
「NHK『安倍が被災地思い予定繰り上げ帰国』 9日夜7時・8時45分報じる 3か国中、最後のエストニアだけ削るという 北欧2国も削っちゃうと、閉会中審査出られない理由がなくなる」
このツイートは10日夜、拡散して騒ぎになりそうになったとたん、すぐに削除されたが、大使館が駐在している国の政権の行動を批判するようなツイートをするのは異例中の異例。
たしかに、エストニアが怒るのは当たり前だろう。もちろん本当に災害対応のためならわかるが、安倍首相は他の3国は訪問を続け、エストニアだけ自分の政治パフォーマンスのために訪問をキャンセルしたのだ。エストニアからしたら当然、「小国だからバカにされた」と不快に思ったはずだ。
しかし、安倍首相にもっとバカにされているのは、九州北部で大きな被害に遭っている被災者だ。災害そっちのけで、スキャンダルから逃げるために北欧バカンスを続行しておいて、閉会中審査が終わった途端、自分の人気取りのために「一刻も早く被災地にかけつけたい」などと言い出したのだ。ようするに、被災地の人々を救うつもりなんかまったくない、単なる政治利用だろう。
安倍首相はおそらく本日11日、帰国したその足で、被災地に向かい、いつものように「被災地の皆さんをしっかり応援します」といったメッセージを発するはずだ。
しかし、国民はもうそんなものには騙されないだろう。森友学園、加計学園から始まったこの間のさまざまな言動、そしてスウェーデン、フィンランド、デンマークの3か国歴訪続行したことで、この男が国民の生命や安全のことなどなにひとつ考えてらず、その頭の中は、自らの保身と政治パフォーマンスだけ、というのは完全にはっきりしてしまったのだから。
(編集部)
最終更新:2017.12.05 07:44