公文書の事後作成疑惑も浮上、特定秘密保護法
これまで「なかった」と言っていた文書が急に「あった」として出てきたことを森裕子議員は疑問視。「実際にはつい最近つくったのではないか」と追及した。実際、4日の農林水産委の前日になっても農水省は森議員にこの文書を送ってきていなかったという。
「なぜすぐに公開しなかったんですか。本当にこれ12月22日につくったんですか? ない、ないって言ってたんですよね」
森議員はその証明として、元文書のファイル、サーバ記録、作成の日付が確認できるプロパティの提出を求めた。すると、松本洋平内閣府副大臣は一度は開示を認めたにもかかわらず、その2日後には「行政遂行に著しい支障が生じる」と撤回してしまったのだ。
この公文書をめぐる政府側のあまりに不可解な言動をみると、これも明らかに“加計学園ありき”をごまかすため組織ぐるみで文書を隠そうとしていることは疑いの余地がないだろう。しかも、それどころか、役人が政治家の指示によって後付けで“都合のよい公文書”を捏造していた可能性が非常に高い。繰り返すが、公文書は国民が行政の決定経緯を把握するためのもの。こんなことが許されるのならば、もはや政治家はやりたい放題である。
つまるところ、いまこの国は、政治権力による事前検閲や組織ぐるみの事実隠蔽、公文書改ざんが平気でまかりとおるような状況になっているのだ。しかもそれは、連中が大義名分にする「軍事機密」などといった大それたものではなく、もっとミクロで日常的な口利きレベルの問題にまで浸透している。
17日には、特定秘密保護法施行後初めて、いわゆる「特定秘密」文書が破棄に向けた手続きで進められていることが判明したと、毎日新聞や東京新聞が報じた。内閣府は協議入りの時期や、対象文書を持つ府省庁名、保存期間の年数を明らかにしていないという。公権力にとって不都合なことは闇に葬られ、国民は真実を知る手立てを奪われる。そういうディストピア小説のような状況が、いままさに進行中であることを、わたしたちは自覚するべきだ。
(編集部)
最終更新:2017.05.31 10:24