あの読売新聞の調査でも9割の人が現行憲法を評価
さらに、読売では「憲法が日本の社会で果たしてきた役割」という質問で、「大いに評価」が27%、「多少は評価」が59%で、89%の人が現行憲法を評価するという結果に。同じく朝日でも、いまの憲法が「日本にとってよかった」とする回答は89%に上った。
逆に、「改憲は優先的に取り組むべき課題だと思うか」という質問では、朝日が「優先的に取り組むべき課題」と回答した人が33%に対し、「そうは思わない」62%と圧倒的な数字が出た。これはNHKでも同じで、「国の政治に優先的に取り組んで欲しいこと」(3つまで回答)という質問では、「社会保障や福祉政策」と答えた人がトップで62%、「景気・雇用対策」55%、「少子化対策や教育政策」37%とつづいた。一方、「憲法改正」は最下位、たったの6%だったのだ。
日本の平和の役に立ってきた9条は変える必要はない。憲法改正の議論より、社会保障や福祉に力を入れるべき──。こうした世論調査の結果は、安倍首相の姿勢とはまったく相容れないものだ。とくに国民の9条への評価は、9条を目の敵にする安倍首相と真っ向から対立する。
だが、こうして声が数字になっても、我田引水なこの総理は無視するのだろう。しかし、憲法はファシズムの流れに抵抗する最後の砦だ。憲法施行70年という記念の年に、独裁総理の傍若無人を許すわけにはいかない。
(水井多賀子)
最終更新:2017.05.03 10:28