首相官邸HPより
今村雅弘復興相が辞任の意向を固めたようだ。当然だろう。今村大臣は夕方、都内ホテルで開かれた自民党二階派のパーティで、東日本大震災の復興に関連して「いろいろお騒がせします」と述べた上で、「まだ東北で、あっちの方だったから良かったですが。首都圏に近かったりすると、ほんと、莫大な甚大になった」と発言したのだ。これは被災地に対する軽視どころか、東北差別、地方切り捨てという言葉の「暴力」というべきものだ。
しかも、今村復興相のこうした発言はたまたまのものではない。この弱者切り捨てと差別姿勢は、もとからこの大臣の中にあったものなのだ。
それはすでに今月4日の会見で明らかになっていた。この会見で今村復興相は、フリージャーナリスト・西中誠一郎氏の福島原発事故の自主避難者についての質問に「(自主避難は)自己責任」「裁判でも何でもやればいい」と言い放ち、記者がその真意をさらに問うと、「うるさい!」「出て行きなさい!」と暴言を吐いた。
これは大きな問題になり、今村復興相は結局、会見2日後の6日、「自己責任という言葉づかいはよくなかった。深くおわびする」「(記者に対して)感情的になってしまった」と陳謝したが、今村復興相はけっして反省したわけではなかった。
実際、今村復興相を会見で追及した西中記者も、当サイトのインタビューで、「4日の激怒会見の後、今村大臣は“感情的”だったことを謝罪しましたが、しかし“自己責任”という発言については当初、撤回すらしませんでした。それは本心だからでしょう」と指摘。今村復興相が一貫して、国の責任には頰かぶりをして、被災者に責任を押し付ける発言をしてきたことを暴露していた。
「今村大臣は“避難者の面倒を見てやる”的な上から目線の発言が多い」
「同様の発言は実は3月14日の記者会見でも出ていたことです。『避難指示を解除するというわけで、皆さん判断してくださいよと言っているわけです』と」
「今村大臣の少し前の『日曜討論』(NHK、3月12日放送)でも、自主避難者に対して『故郷を捨てるのは簡単だが、戻って、とにかく頑張るんだという気持ちを持ってもらいたい』などと発言していましたからね。大臣の頭の中は、“なんで早く帰らないんだ。なぜ地元の復興のために頑張ってくれないんだ”という思いが先走っていたと思います。実際、そうした気持ちが記者会見でも伝わってきました。ですから、それはおかしいだろうと質問を繰り返したのです」