3月23日衆院予算委で行われた籠池泰典氏の証人喚問の模様
恥も外聞もなく、とはこういうことをいうのだろう。自民党が籠池泰典氏を偽証罪での告発を本気で言い出した。28日、自民党の西村康稔総裁特別補佐が証人喚問で籠池氏に質問した西田昌司議員、葉梨康弘議員をともなって記者会見を開き、籠池氏の証言に虚偽の疑いが濃厚になったとして、偽証罪での告発も検討しているとぶち上げたのだ。
ところが、その告発の中身というのが、例の100万円の振り込み用紙の「記入者が籠池証言と違う」というなんともしょぼい話。連中によると、籠池氏は幼稚園の職員が郵便局で記入したと言っていたが、筆跡鑑定で書いたのは籠池夫人だったというのだ。
いったいこいつらは何を鬼の首をとったようにがなりたてているんだろう。仮に郵便局で記入したのが籠池夫人だったとして、100万円寄付がなかったことの証明になるわけでも、本題である国有地取引に昭恵夫人が関与していたことが否定されるわけでもない。はっきり言って枝葉末節の話だ。しかも、籠池氏は振り込みの現場にはおらず伝聞であると前置きしたうえで証言しており、勘違いがあってもおかしくなく、ちがっていても、記憶違い、ケアレスミスの範囲内だろう。
こんなことで偽証罪が問われると言うなら、籠池氏のことを「よく知らない」「会っていない」と虚偽答弁をしておいて弁護人として裁判にまで出廷していた稲田朋美防衛相はどうなるのか。
しかも、もっとお粗末極まりないのが、西村特別補佐らが根拠としてもち出している「筆跡鑑定」だ。
西村らは会見でいきなり、「実は昨日、フジテレビで筆跡鑑定人が〜」と言って、その鑑定内容を紹介し始めたのだ。これは、27日月曜日の『直撃LIVE グッディ!』が「新疑惑!籠池氏 100万円振込用紙で偽証? 独自に筆跡検証」と題して放送したもの。
西村は一応、「私どもも鑑定人に鑑定をお願いしていて」などと付け加えてはいたが、『グッディ』の鑑定以上のものは何一つなく、そのうえまだ「所感」の段階だという。結局、連中は『グッディ』の筆跡鑑定を受けて、意気揚々と偽証罪告発宣言を行ったということらしい。