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『文豪とアルケミスト』ファンが「赤旗」紹介記事に「小林多喜二を政治利用するな」! 君たち、多喜二のこと知ってる?

 わざわざ書き記す必要もないと思うが、小林多喜二という作家は『蟹工船』や『党生活者』などの著作で知られるプロレタリア文学の作家。作品を通じて権力者の横暴や抑圧を告発したというだけでなく、当時は非合法であった日本共産党に入党し、地下活動も展開。そして、特高警察に逮捕され、拷問の果てに29歳の若さで殺された人物だ。言うまでなく、小林多喜二という作家と政治性は切り離しようがない。彼の作品群はその政治思想と活動のなかから生み出されたものであり、その政治性は、どう考えても作品群、そして多喜二自身のコアの部分だ。そこを取り上げたから「政治利用だ」などというのは、逆に小林多喜二という作家を愚弄する言動だろう。

「フジロックに政治をもちこむな」と同じく、真面目に反論するのもアホらしくなるような炎上騒動だが、この話はまだここでは終わらない。

 この炎上騒動で「しんぶん赤旗」の記事のなかで小林多喜二の生き方についてコメントを寄せ、記事に『文豪とアルケミスト』小林多喜二のイラストをもととした二次創作の絵を提供した人物もネットで攻撃を受けて、謝罪に追い込まれたのだが、その人物が、ツイッター上の釈明の中でこんな話を書き込んでいた。記事作成にあたり、『文豪とアルケミスト』の配信元であるDMMから「しんぶん赤旗」に対し、掲載NGが出ていたというのである。

〈取材終了後にゲーム公式の方へ記事掲載の許可を求めたところ、政治色の強い媒体へのゲーム・名称・個人のイラスト等の掲載はいかなる場合も許諾しないとの返信がありました。〉
〈改めてその法的根拠の提示を求めましたが期限までに回答が無かったため、個人への取材を報じることは報道という立場に則り法的に問題は無いと判断し、掲載されたようです。〉

 おそらく「しんぶん赤旗」側は、DMMとコンタクトを取ることにより、本家のイラストの使用許諾をもらい、さらに可能なら、小林多喜二という作家をゲームキャラクターに取り上げたこと、およびその反響についてDMMからコメントをもらおうとしたのだと思われるが、DMMはそれを拒否した。結果的に、「しんぶん赤旗」は、ゲームの名前を伏せ(報道である以上、固有名詞ぐらい出しても問題ないように思うが)、二次創作の絵のみを使ういささか歪な記事となったわけだ。

 政治性云々の話とはまた別の話になるが、自分たちの意に沿うメディアにしか素材を貸さず特集もさせない、批評も許さないという昨今の風潮には疑問を感じる(しかも、取材NGならまだしも、報道記事に関して掲載NGを出す権利はない)。さらに今回のケースの場合、DMMが主張する「政治色の強い媒体へのゲーム・名称・個人のイラスト等の掲載はいかなる場合も許諾しない」という主張は筋が通らない。というのも、DMMは現在、靖国神社が関わるイベントと『刀剣乱舞』をコラボさせ問題となっているからだ。

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