事実、森友学園は、塚本幼稚園の運動会で園児に「日本を悪者として扱っている中国、韓国が心あらため、歴史教科書で嘘を教えないようお願いいたします」と言わせているし、町浪氏自身、「別冊正論」(産経新聞社)27号のインタビューでこのように語っていた。
「左の人は(教育)勅語を先の大戦に結び付けて軍国主義を思わせようとします。でも、教育とは結局は勅語の十二徳目に行き着きます。(略)日本では日教組など左翼勢力が教育勅語や国旗を敵視、否定するのは、日本人のまとまりを阻害し、日本を弱体化させることが真の狙いなのではないでしょうか」
まいどのことながら、この種のネトウヨ並みの妄想も大概にしてほしいが、ようするに、籠池氏の娘が安倍首相の息のかかった極右教育団体に関与している事実は、森友学園が安倍首相の極右人脈と完全に一体化していることの証左だろう。
しかも、この集会には籠池氏の娘のほかにもう一人、見逃せない人物が参加を予定している。兵庫7区選出の自民党・山田賢司衆議院議員だ。山田議員は2012年の衆院選で安倍チルドレンとして初当選。14年8月に行われた自民党のヘイトスピーチ対策等に関する検討PT初会合では、こんなトンデモ&ヘイト発言で注目を浴びた。
「国連に“チンコロ”しているのはどんな団体か。ネットで調べると、ほとんどが朝鮮総連など朝鮮系の団体だ」
「右翼車両よりもむしろ左翼のほうがうるさい。取り締まりや、排除をすべきではないか」
安倍首相のブレーンが実質的に仕切る集会に、籠池理事長の娘と安倍チルドレンが仲良く参加……。やはり、今回の国有地問題は、安倍首相が印象づけたいように「私たちはたまたま名前を利用されただけの被害者」という話ではありえないのである。
森友学園問題で、安倍首相は尻尾切りと口封じに必死だが、騙されてはならない。安倍首相を個人崇拝し、ヘイトと軍国教育をぶちまける幼稚園の問題は、安倍首相の極右思想が実を結び、この国がグロテスクなファシズムに覆われていることの象徴的な“事件”である。安倍首相の極右教育ネットワークも含め、今後もこの問題を徹底追及していく必要がある。
(編集部)
最終更新:2017.11.20 06:32