実は、迫田氏と安倍首相とはもともと密接な関係をもっているという見方がある。
「迫田氏は東大卒で1982年に大蔵省入り、主計局次長などを歴任しましたが、事務次官レースの本命からは外れていた印象でした。ですが、迫田氏が内閣官房内閣審議官だったとき第二次安倍政権が発足、そのころに安倍首相から目をかけられていたと聞いています。迫田氏の出身は安倍首相の地元である山口県下関市。その縁じゃないかとも言われていましたね。そのためか2014年頃には、首相を後ろ盾にして事務次官の目があるという噂も出ていました」(大手紙財務省担当記者)
実際、迫田氏は理財局長になる以前、14年7月からの総括審議官時代にも安倍首相と3回面談している。こうした親密さを見ていると、もしかしたら、迫田氏は安倍首相の名代として、その意向を反映、もしくは忖度する形で、森友学園に便宜を図っていたのではないか、という疑念が頭をもたげてくるのだ。
いずれにしても、疑惑の土地売買疑惑の経緯を説明するには国有地を管轄する部門の当時の責任者である迫田氏が国会に出て、きちんと説明すべきであり、実際、国会でも野党が迫田氏の参考人招致を求めているが、自民党は「今の局長に聞けば足りる」として応じなかったという(朝日新聞2月28日付)。
しかし、国有地は国民の貴重な財産で、財務省や政治家の持ち物ではない。政府と自民党は姑息な疑惑隠蔽工作はやめて、迫田前理財局長と籠池理事長の国会招致に応じ、真実の解明に協力すべきだ。もし、それができないというなら、何か追及されては困る事情があるとしか思えず、それこそ安倍首相は自ら大見得を切ったとおり、即刻、国会議員を辞任するべきだろう。
(編集部)
最終更新:2017.11.20 05:04