今井の事務所は「週刊新潮」の取材に対し、「軍用地は資産運用の一環で購入」したことを認め、「今井本人は“軍用地を持っていることはイメージが悪いかもしれません。でも、12歳から芸能活動を頑張った結果ですし、やましいことはないので真実を隠さず公表したい”と判断したようです」との申し開きを行っている。
念のため言っておくが、本サイトとしては、仮にただのアイドルが米軍の軍用地を購入し、基地収入を得ているとしても、大きな問題にするつもりはない。しかし、今井は、自民党という、米軍基地撤退を要求する多くの沖縄の声を無視する政策を強行しているこの国の与党の一員なのだ。しかも、先の参院選では、全国区からの出馬だったものの沖縄でも遊説を行い、基地問題で態度を豹変させ、落選確実といわれていた島尻安伊子沖縄担当相(当時・落選)のテコ入れ的な役割も担った。
そんな人間が、米軍基地の地主であるなどということが許されるのか。自分の収入のために、沖縄県民の大多数が反対している基地存置の政治を推進している、利益誘導だと受け取られても仕方がないだろう。
今井といえば、安保法制で日本が揺れた15年夏には、ツイッターで安保成立反対を示唆しながら、なぜか昨年の参院選では自民党から出馬。出馬会見では、基地問題について考えを質問されて、「基地問題に関しては、基地の負担を軽減したいということはみなさん同じ、共通の思いだと思っています。私は自分の目で見て、沖縄の方々の声をきちんと直接聞いて、そこで真剣に取り組めたらなと思います」と、政府が邁進している新基地建設と完全に矛盾することを言って逃亡。実際、選挙期間中も基地問題についてはまったく触れるそぶりがなかった。
そして、当確後のテレビ東京の選挙特番ではその点をつっこまれ、“立候補して初めて沖縄について考えるようになった”“これから考えていきたい”という趣旨の発言をし、MCの池上彰を呆れさせた。もちろん、今にいたるまで今井は基地問題についての態度を曖昧にし続けている。
だが、それも自分が米軍基地の地主として収入を得ていたという事実があれば、ある意味当然だったのかもしれない。
いずれにせよ、政治家としての今井絵理子が、自民党の口車にのり、沖縄に負担を強い続け、反対派市民の弾圧にまで出ている政府に加担していることは、まぎれもない事実である。そして、自らの勉強不足を言い訳にして(それ自体、地元出身の政治家としてありえないことなのだが)、基地問題への態度を保留し続けているのも、選挙対策以外によこしまな理由があることが明らかになった。これは、今井の出身地である沖縄への裏切り行為であり、即刻、議員を辞職すべきではないのか。
(編集部)
最終更新:2017.11.15 06:17