■事件その4
ピーター・バラカンがBABYMETALを「まがい物」「世も末」と発言し大炎上
狂信的なファンをもつグループをちょっと批判しただけで炎上してしまう、SNS時代ならではなこの騒動。今年4月、『モーニングCROSS』(TOKYO MX)に出演したバラカンは、BABYMETALの海外での活躍を伝えるVTRの後、コメントを求められると苦笑いを浮かべながら「世も末だと思っています」と発言した。これに対し、BABYMETALのファンは激怒。彼のツイッターアカウントに怒りのリプライを送りつけると、バラカンはさらに〈あんなまがい物によって日本が評価されるなら本当に世も末だと思います〉と返してさらに炎上を煽るのだった。
ただ、BABYMETALとはそもそも、アイドルグループ・さくら学院出身の中元すず香(SU-METAL)、菊地最愛(MOAMETAL)、水野由結(YUIMETAL)という3人の少女が本格的なメタルの音に乗って歌い踊る、その「ギャップ」が魅力の肝であるはずで、「まがい物」だからこそ日本のみならず海外でも大きな人気を獲得したグループである。なので、バラカンの「まがい物」という評価は別に間違ってはいない。それにも関わらず、そういった率直な感想すらも許されなくなっている閉塞感を感じずにはいられない騒動だった。
■事件その5
水道橋博士が安倍政権批判でネトウヨから攻撃を受け大炎上するも、最初から計算済み!
政治的発言をした芸能人に対しネトウヨが束になって襲いかかる現象には今年も多くの人が被害に遭ったが、そのひとりが水道橋博士だ。
水道橋博士は今年9月、インタビューで〈安倍政権がすすめているような、数こそ力で、リベラルを破壊していく政権運営ってめっちゃくちゃ怖いなあと思います〉と発言。これが発表されるやいなや、ネトウヨは当然のごとく博士のツイッターに襲いかかり、炎上させた。
しかし、博士はこれに逃げずに逐一対応。ツイッターで〈『永遠のゼロ』を文庫で読んで感激され百田先生のTwitterまでフォローされる方は、読書家なので、同じ文庫で、三十四回講談社ノンフィクション賞受賞作『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』(安田浩一著)も読んでみてはいかがですか? 同じ講談社文庫です。〉などと挑発した。
もともと、博士は炎上が織り込みだった気配がある。くだんのインタビューでも〈オレなんて安倍政権の強権的やり方を、お笑いとして、からかっているだけだけど、それに対して本気で怒るひとたちが現れていて、ネトウヨとかもそうですけど、もはや、そういう人は自分の他人を圧する熱狂すら客観的に見えてないのかって不思議でしょうがないです〉とも語っていたように、おそらく安易な感情を煽ってマスヒステリーをつくりだし、独裁政治を築こうとしている安倍の政治手法と、デマと悪罵の攻撃で政権批判を抑え込むネトウヨが連動している状況に相当な危機感を抱いているのだろう。だからこそ、あえて「上から目線」の「ネトウヨ批判」によって、彼らを挑発しようとしたのではないか。そういう意味では、十分にこの炎上は十分に目的を果たしたといえる。
博士には、来年も炎上を恐れず、ネトウヨをどんどん挑発していってもらいたいものである。