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「プーチン訪日」大失敗をごまかす安倍官邸の情報操作にマスコミが丸乗り! ただのプレス発表を共同声明と

「まだあまり新聞には出ていませんが、プーチン大統領に対して、『ロシアの法制度でも日本の法制度でもない枠組みで北方4島の共同経済協力をしましょう』と、これ繰り返し言ったそうです」

 北方4島で日露が“特別な制度”の下で共同経済協力をおこなう──。「北方領土返還」という話はすっかりなくなり、いつのまにか、ロシアの法律下ではなく共同の制度にもちこむことが「最大のポイント」になってしまったのだ。事実、安倍首相の“スポークスマン”である田崎史郎・時事通信社特別解説委員は本日の『ひるおび!』(TBS)や「直撃LIVEグッディ!」(フジテレビ)において、「『特別』という言葉が出たこと自体が進展」と安倍首相をアシストしていた。

 この、ハードルのあからさまなダダ下がり具合には笑うしかないが、「特別な制度」といっても両国共同の経済活動なのだからロシアの法律下でおこなうこと自体がおかしいもので、至極当然の話だ。

 そもそも、北方領土返還への期待感が出てきたのは、今年5月6日にソチでおこなわれた日露首脳会談後だ。このとき安倍首相は「領土問題についてアイスブレイク(砕氷)できた」と成果を語り、世耕弘成経産相(当時官房副長官)も「(安倍首相は北方領土問題について)踏み込んだ発言をした」と“強気さ”をアピールしていた。この段階から「いつものロシアの経済協力を取り付けるための陽動作戦でしかない」という見方は当然ながらあったが、しかし官邸はすっかり前のめりになってしまったのだ。

 そうしたなか、流れを決定付けたのは9月2日のウラジオストクでの会談だ。ここで今回のプーチン来日と首脳会談山口開催の合意を取り付けたが、会談後、安倍首相は「交渉を具体的に進める道筋が見えてきた。手応えを強く感じ取ることができた」「平和条約については2人だけで、かなり突っこんだ議論ができた」とかなり具体的に北方領土返還が現実味を帯びてきたことを匂わせた。当然、メディアの盛り上がりもピークに達し、「ついに北方領土返還か」と喧伝。自民党内では「訪日後、外交成果による支持率アップのなかですぐに解散する」という“年明け解散”の動きも強まった

 しかし、こうした盛り上がりがトーンダウンしはじめたのは、11月に入ってから。わざわざ新設したロシア経済分野協力担当相を兼任する世耕経産相の訪露をはじめ、具体的な交渉でどんどんと暗雲が立ちこめはじめ、官邸も北方領土返還は無理だということを察知。そのため、自民党内でも年末解散説は消え、「領土返還の期待感を煽るだけ煽って、いまのうちに解散したほうがいい」という“11月中解散”まで飛び出したほどだ。

 2島返還が露と消えたことが明白となり完全に劣勢に立たされた官邸は、このあたりからダメージを最小限に抑えるために、「ロシア側の問題で返還は困難」という情報をメディアに流すようになる。

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