しかも、このネトウヨ作家のおぞましいのは、「犯人は在日外国人」デマが散々国籍に対する差別扇動だと批判された後も、まったく反省の色をみせず、平気で差別主義をひけらかし続けていることだ。冒頭で挙げた〈「日本死ね」という言葉を流行語に選んだ審査員の顔ぶれを見ていると、韓国人がいた〉〈(在日韓国人は)日本人の悪口ばかり言います〉というのはその典型だろう。
念のため言っておくが、例の「日本死ね」ブログは、日本で暮らす母親による待機児童問題の喫緊の訴えであり、広く社会問題として認知されるきっかけになった言葉だ。「悪口」でもなければヘイトスピーチでもない。一方、百田のこのツイートは、おそらく在日韓国人二世である姜尚中東京大学名誉教授のことを指していると思われるが、2016年の社会状況や選考過程まったく無視し、「韓国人」という属性だけを根拠に“「日本死ね」という「日本人の悪口」を流行語大賞に選んだ”とレッテル張りをしている。これがグロテスクな国籍差別の披瀝でなければ、いったいなんなのか。
少なくとも、百田を見ている限り〈日本人ほど、優しく、他者を慮る心を持った民族はいません〉などというのは、タチの悪い冗談としか思えない。
(編集部)
最終更新:2017.11.12 01:59