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産経新聞が日テレの「南京虐殺」検証番組を「裏付けなしの謀略宣伝」と攻撃! でも捏造と謀略は産経の方だった

 しかも、毎日新聞に掲載された写真もそれ自体は捏造でもなんでもなく、歴史修正主義者が「同士討ち」の記述のある中国の記録を持ち出して、この写真の死体も「同士討ちの結果の可能性だってある」と反論しているにすぎない。むしろ、この規模や状況から考えて、「虐殺写真」の可能性が極めて高いものだ。

 その写真を「虐殺」という言葉を慎重に避けながら検証の対象として使っただけのテレビ番組に「裏付けなし」などと絡むというのは、まともな神経とは思えない。

 しかも、この件について、日本テレビから「虐殺写真と断定して放送はしておりません。にもかかわらず産経新聞の記事は『写真がそれを裏付けている-そんな印象を与えて終わった』と結論づけ、大見出しに掲げました」と抗議を受けると、産経は11月6日の紙面でとんでもない反論を繰り出した。

 ギャラクシー賞の選考理由に「虐殺の一枚写真も、その背景から揚子江岸辺の現場が特定できる」との一文があるのをもちだし、「ギャラクシー賞を辞退せず受賞したわけだから日テレ側も視聴者が『虐殺写真』と認識するのに異論はなかったはずだ」と因縁をつけはじめたのである。断定報道と解釈の余地のある報道を一緒くたにしてしまうこの記事は、本当に新聞記者の書いたものなのか、と疑いたくなった。

 ようするに、産経新聞は実証的に南京虐殺を証明したこの番組にケチをつけたくてしようがなかったのだが、攻撃箇所が見つけられなかったため、無理やり毎日新聞の話を持ち出し、その報道とわざと混同させて、番組を貶めようとしたのだろう。ところが、その手口を抗議されると、今度は慌ててギャラクシー賞の話をもってきて言い訳を始めたのだ。まったくそのオツムは小学生並みとしかいいようがない。


■事実を捏造したのは産経新聞のほうだった

 産経のインチキは他にもある。それは、揚子江岸での捕虜処刑が「暴れる捕虜にやむなく発砲」したものなのに、番組がその点に触れていないと主張していることだ。

 産経は東中野修道亜細亜大教授の著書『再現 南京戦』(草思社)を引用してするかたちで、「16日の揚子江岸での処刑対象は宿舎への計画的な放火に関与した捕虜だった。17日は第65連隊長、両角業作の指示で、揚子江南岸から対岸に舟で渡して解放しようとしたところ、北岸の中国兵が発砲。これを日本軍が自分たちを殺害するための銃声だと勘違いして混乱した約2千人の捕虜が暴れ始めたため日本側もやむなく銃を用いた」と、まるでそれが客観的な事実であるかのように記述。そのうえで、「番組はこうした具体的状況やその下での国際法の解釈には踏み込まなかった」と断じている。

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