さらに本日の『報道特集』(TBS)でも、高江の住民に実施したアンケート結果を放送。18歳以上の全住民110人のうち78人から回答があったというが、その結果は「反対」が58人(74.4%)、「その他」が19人(24.3%)、「賛成」は1人(1.3%)だった。
つまり、辛坊が語った「地元はヘリパッドをつくって欲しい人が圧倒的に多い」というのは大ウソなのである。
さらに辛坊は、反対派には「沖縄県の地元の人はホント少ない」「ほとんど大阪から行ってる人とか」と言うが、現在、国にヘリパッド建設差し止め訴訟を起こしているのは、東村高江と国頭村安波の住民33人だ。だいたい、今回、機動隊員が「土人が」と暴言を吐いた相手は、沖縄県出身でいまも沖縄に住む芥川賞作家の目取真俊氏であり、同じように沖縄県内から高江へ駆けつけている人は多い。
たしかに、高江には県外から駆けつけた人も決して少なくないが、それは人口約140人という小さな集落に約500人という住民の数を上回る機動隊を派遣して、強行的に工事を進めるという国の暴挙に対し、住民の気持ちに立ち、他人事と切り離すことなく怒りをもって行動している人びとだ。そして、国という圧倒的権力が地域の声も無視して力で抑え込むという民主主義に反した行為に抗議することに、県外か否かを問うことはまったく無意味である。
だが、辛坊はこうしてデマを垂れ流した上で「なんで反対してるのか訳わかんない」などと言い、「基地返還を阻止したいんじゃないの」と“何でも反対したがる本土の左翼がわめいているだけ”という結論に導こうとするのである。
しかも、本日放送された『辛坊治郎ズーム そこまで言うか!』(ニッポン放送)では、辛坊はまた新たなデマを語った。
「騒音が問題になる場所でもないんだよね。だから反対してる理由が何なのかしらって」
騒音が問題にならない場所、だと? この人は高江を無人村だとでも思っているのだろうか。何度も言うように高江には約140人の住民がおり、ヘリパッドの騒音に悩まされつづけている。現に、沖縄防衛局が発表した測定データだと、高江の米軍北部訓練場内「N4地区」のヘリパッド周辺で今年6月の夜間における騒音発生回数はなんと383回にも上っているのだ。しかも高江の小中学校では〈夜間の騒音の影響で睡眠不足となった児童らが欠席する例も出るなど、周辺住民の健康被害も深刻となっている〉(琉球新報2016年7月20日付)というほどなのである。