稲田朋美HPより
白紙領収書問題に、夫名義の“軍事産業株”大量取得、そして南スーダン視察後の「戦闘ではなく衝突」という詭弁──。連日のように問題が噴出しつづけている稲田朋美防衛相だが、またしても重要な審判が下された。「サンデー毎日」(毎日新聞社)が報じた稲田氏とヘイトスピーチ団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)との“蜜月関係”が、一審判決につづいて二審でも事実であると裁判所が認定したのだ。
今回の裁判の発端となったのは、「サン毎」が2014年10月5日号に掲載した「安倍とシンパ議員が紡ぐ極右在特会との蜜月」という記事。この記事では、稲田氏の資金管理団体「ともみ組」が2010年から12年のあいだに、在特会の有力会員や幹部と活動をともにしている8人より計21万2000円の寄付を受けていたことを明かし、〈在特会との近い距離が際立つ〉と指摘。これに対し稲田氏は、翌2015年4月に毎日新聞社を大阪地裁に提訴。550万円の慰謝料と謝罪記事の掲載などを求める名誉毀損裁判を起こした。
だが、今年3月11日に大阪地裁で下された判決は、原告・稲田氏側の全面敗訴。「記事は論評の域を逸脱しない」などとして稲田氏の請求を棄却した上、裁判長は「記事には真実性の証明がある。公益を図る目的で、公共の利害にもかかわり、違法ではない」と、稲田氏が名誉を傷つけられたと主張した記事の内容は真実であり、また公益性を担保したものだと認定。稲田氏は判決を不服として控訴した。
そして、先日10月12日に行われた控訴審判決でも、大阪高裁は一審判決を支持し、稲田氏の控訴を棄却する判決を下した。つまり、稲田防衛相が“在特会と近い距離”にあったことを、2度にわたって司法が認めたのだ。
この判決は一審同様、極めて妥当なものであるが、寄付の事実だけではなく、稲田氏が在特会らヘイト勢力と親密な関係を築いてきた証拠はほかにもある。既報の通り、稲田氏は、元在特会事務局長の山本優美子氏が仕切る極右市民団体「なでしこアクション」が主催する集会に2012年に登壇しており、14年9月にはネオナチ団体代表とのツーショット写真の存在も発覚した。