とんねるずオフィシャルホームページより
とんねるずの石橋貴明が、最近のバラエティ番組のあり方に対して行った発言が波紋を呼んでいる。
「「こうやったらまずいな」って考えちゃうような、閉塞感が全てにおいてテレビをつまんなくしちゃっている気がします。僕らの子ども時代は、例えばドリフターズさんがいて、食べ物を粗末にしてるんだけど、それで「子供に見せたくない番組ワーストワン」とかになるんだけど、そんなことはみんながちゃんと(いけないことだって)分かっていてやっていたし。でも、今は、その前の時点でロックかけられちゃう、みたいなね」(2016年10月3日付「日刊スポーツ」)
まあ、石橋の指摘はまちがってはいない。以前、ビートたけしも「オイラも昔のように言いたい放題できなくなってるね。政治的な内容どころか、下ネタやカツラネタまで、ありとあらゆる分野で「アレは言っちゃダメ」「これもダメ」って先回りして注意されちゃう」(「SAPIO」2015年5月号/小学館)と、石橋と同種のことを語っており、古くからテレビで活躍し続けている芸人には共通の悩みとも言えるのかもしれない。
ただ、石橋のこの発言には、違和感を抱かずにはいられない。石橋の言う「閉塞感」や「ロック」を解き放った先にあるのは、「自由な表現」や「新しい笑い」ではなく、昭和時代と地続きな、セクハラやパワハラが横行する世界なのではないか。
というのも、これまでのとんねるずの番組づくりを紐解いていくと先にあげたようなハラスメントの末にある不祥事のオンパレードだからだ。
昨年10月15日放送『とんねるずみなさんのおかげでした』(フジテレビ)内の「新・食わず嫌い王決定戦」にゲスト出演した西内まりやに対して、石橋が何度も胸を触ろうとし、もうひとりのゲストである俳優のヒュー・ジャックマンも唖然。放送終了後に炎上した件は記憶に新しいが、こういったセクハラ炎上騒動は枚挙にいとまがない。
02年には『うたばん』(TBS)にゲスト出演したZONEのメンバーMIZUHO(当時15歳)に対し、「チンポコの先」というあだ名をつけ、放送中その言葉を執拗に繰り返した。さらに、罰ゲームで彼女に水をかけられれば「先っちょがビチョビチョです」、パン粉がかけられれば「先っちょ、粉ふいてんじゃねぇか」と追い打ちをかけ、放送終了後には抗議が殺到。TBSの砂原幸雄社長(当時)が定例会見で謝罪する騒動にも発展している。