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湊かなえが押切もえの山周賞ノミネートを「二番煎じの愚策」と批判、筒井康隆も「女又吉」と揶揄!

 湊は怒りのあまり、昨年、芥川賞を受賞した又吉直樹のことまでもち出し、押切のノミネートをその又吉の「二番煎じの愚策」と切って捨てたのだ。これは選考委員だけでなく、主催の新潮社への痛烈な批判である。

 作家が文学賞や選考委員、受賞者に対して批判を口にすることはたまにあるが、今回の湊は受賞者である。賞の受賞者がその受賞エッセイで、賞の選考過程にここまで怒りを表明したのは前代未聞だろう。

 しかし、湊の怒りはもっともな部分もある。なぜなら、押切もえのノミネートは、彼女の言うように、明らかに新潮社が又吉の「二番煎じ」を狙って仕掛けたものだったからだ。当の新潮社関係者が語る。

「正直言って、押切さんの作品はタレントにしてはうまいけれどそれだけ。押切さんじゃないと書けないという突出したものはなにもないし、仮にゴーストライターが書いた、あるいは編集者が大幅に手を入れていたとしても不思議はないようなシロモノです。それが、権威ある山本周五郎賞にノミネートされ、次点にまでなったのは、新潮社の出版局と小説新潮が強引にプッシュし、選考委員に根回ししたからです。もともと押切さんの小説を仕掛けたのは、芸能界とパイプがあって、芸能人に文芸作品をいろいろやらせてきた出版局のやり手編集者K氏。一方、押切の所属プロダクションであるケイダッシュは、いま、自社のタレントの出版への進出をすごく熱心にやっている。そんなところから、最初からK氏とケイダッシュと組んで仕掛けたんじゃないか、とも言われています。いずれにしても、又吉の二番煎じを狙ったのは間違いないでしょう。選考前、ある幹部は真顔で『これは第二の又吉になる』といきり立ってましたからね」

 もっとも、押切はもともと本好きで文化系女子に人気だった又吉とは違って、固定の読者がおらず、これまでの小説もたいして売れていない。二番煎じとしてもかなり的外れで、湊に「愚策」と言われてもしようがないだろう。

 実際、押切のことを揶揄していたのは、湊だけではなかった。小説界の重鎮である筒井康隆がブログ「偽文士日碌」で、湊の怒りについてこう書いているのだ。

〈湊かなえが突然マスコミを非難しはじめた。同じ候補だった「女又吉」のことでいやな目に遭わされたらしいが、同感しつつも、文壇とマスコミは夫婦関係に似ているなど思う〉

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