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待機児童問題だけじゃない、安倍政権が放置する企業の“マタハラ”の実態!「妊婦はお荷物」「堕ろす覚悟で働け」

 こんな露骨なハラスメントを口にしつつ4時間にもわたり居座られたが、こうした対応は直属の上司だけでなかった。1週間自宅安静をした後出勤すると、今度は本部長からも叱責され、通常通り業務をこなした結果、2度目の流産をしてしまうのだ。

 その後も上司からは「生理きたか?」「子作りはそろそろ始めているのか?」とセクハラ発言をされ、人事部長からも「妊娠と仕事の両方とるのは欲張り」と子どもを作るなら仕事を辞めるよう強要され、結局退職を余儀なくされたのだ。

「会社のマネジメント層全体が『妊娠したら女性は家庭に』という古い価値観に凝り固まっていることがわかった。そして、産休・育休の基本知識や、妊娠を理由とする退職強要は法律で禁止されていることなど会社がマネジメント層に教育していないことも想像に難くないこともわかった」

 こうした経験から「NPO法人マタハラnet」を立ち上げた筆者だが、そこに寄せられる相談もまた壮絶なものだ。

「女は妊娠したら錆びたナイフ。使い物にならない」と退職に追い込まれたデザイナー(正社員)、「産休・育休って給料もらえるんだよね? いいよね。何もしなくても、給料もらえるなんて」と女性事務員や同僚に陰口を叩かれた大学教員。会社という組織からだけではなく、同僚、同性の女性からも心ない言葉が投げつけられる。

「妊婦様って何様!」「迷惑なんだけど」「お腹が大きくて見苦しい」「妊婦はお荷物」「ズルしてる」「そんな正社員はいらない」「自己中」「同時に育休を取らないように、女性社員同士で産む順番を決めろ」「だから女性は雇いたくなかった」「堕ろす覚悟で働け」

 しかも、こんなひどいマタハラが横行しているというのに、この国の行政ではそれを是正、防止する機能がきちんと働いていないのだという。

 たとえば、前述のように壮絶なマタハラを受けた著者自身、最初の妊娠の時に行政機関に助けを求めたが、その結果は“誰も助けてくれない”というものだった。

「私はまず自分の自宅所在地を管轄する労働局に電話を入れた。(略)ところが、電話に出た労働局の男性は、『会社の所在地を管轄する担当なので、そちらに電話してくれ』『電話したとしても、人事の決定権者、たとえば人事部長が退職勧告したりしなければ、労働局は何もできない。直属の上司の退職勧告くらいでは動けない』と言う」

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