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安倍首相が「正論大賞」に駆けつけた理由…受賞者のアメリカ人は安倍を操る“ジャパンハンドラー”だった!

 これは、アワー氏も同様だろう。アワー氏は贈与式のスピーチで「ほとんどの日本人も、日米同盟は日本のためになると考えるし、日米はともに発展する『ウィンウィン』の関係だ」と語っていたが、これは建前にすぎない。実際、北朝鮮がテポドン1号を発射した後の「SAPIO」1998年11月11日号では、「北朝鮮の脅威」を強調しながらこんな本音を漏らしている。

〈現在アメリカは日本及び韓国には約10万人の米兵力を維持していますが、その理由はなんでしょうか。一般的にはアメリカはお人好しでゼネラス(気前がいい)だからだ、といわれていますが、なにも思いやりがあり、日本や韓国の納税者の負担を軽くするために軍事的な支援をしているわけではありません。そこに10万人もの兵力を駐留させているのはアメリカの国益のためです。〉

 他のジャパンハンドラーの例にもれず、アワー氏もまた、こうした東アジア情勢の緊迫を煽りながら、一方で、安全保障上の「片務性」解消によるアメリカ側の負担減を目的に、安倍氏ら改憲や軍備増強を狙う日本の政治勢力に働きかけてきた。

 そして、安保法制が成立、安倍首相はその立役者であるアーミテージに旭日大綬章を授与し、アワー氏の「正論大賞」授賞式に姿を現し、自ら祝辞を述べた。

「アワー氏は部長クラスなので、さすがに叙勲というわけにはいかない。もしかしたら、『正論大賞』受賞はそのかわりに、と安倍首相が産経に働きかけを行った結果なのかもしれませんね」(全国紙政治部記者)

 安倍首相は、前述の「正論大賞」贈与式で、アワー氏についてこうも語っていた。

「まさにアメリカというか、グローバルスタンダード、安全保障の世界の現実と常識を私たちに示してくれるのが、今、アワーさんではないのかなと思います」

 今回の「正論大賞」は、安倍政権の安全保障政策がジャパンハンドラーに尻尾をふった“アメリカ属国化政策”であることをはからずも証明してしまったといっていいだろう。
(宮島みつや)

最終更新:2017.11.24 08:36

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