このように、メンバーの“秘話”が次々に明かされていく本書だが、ファンが気になるのはやはり恋愛の話だろう。本書では、松本と二宮は〈共演者に惚れっぽいタイプ〉だという話や、松本の井上真央や二宮の長澤まさみなどを除けば、メンバーは地味目な女性とばかり付き合っていることにジャニーズ事務所の幹部も「もうちょっといい人と付き合えばいいのに。なんかB級とばっかり付き合うよね」と呆れ気味だったという裏話が飛び出している。
もちろん、事務所内でも〈付き合う相手の選択に厳しい〉のは、やはり副社長のメリー喜多川氏だ。メリー氏の考えは、〈大河ドラマの主演を務めるくらいの好感度の高い相手ならともかく、イメージダウンにしかならないような相手ではアイドルにとって百害あって一利なし〉。これは、井上真央は事実上、公認となっているという話なのかもしれないが、元スタッフはこうも話す。
「この事務所の子だったらいいけど、みたいなのもありますけどね。そっちとこっちの副社長、つまりトップ同士がけっこう仲よかったりとか」
恋人選びまでメリー氏の交友関係でとやかく言われるとは……。メリー氏はSMAP騒動における“主犯”と言っていい存在だが、このようにその影響下に嵐もあることを考えると、嵐メンバーにとっても決してSMAP問題は他人事ではなかっただろう。
そんななか、ジャニーズタレントの苦労が忍ばれる話がもうひとつある。“マッチ先輩”との付き合いだ。
それは、ジャニーズが事務所内に設けるレッスン場「Tスタジオ」でのこと。嵐がそこでコンサートリハーサルを行っていた際、近藤真彦が顔を出したから、メンバーはもう大変。しかもマッチは「ちょっと、カラオケやろうよ」と言い出し、嵐は「ハッ、お付き合いします」と即答。コンサート前の忙しい時期にマッチ先輩の熱唱を延々聴かされたらしい。……昨年12月に放送された『FNS歌謡祭』(フジテレビ)でも、マッチの熱唱に嵐をはじめTOKIOや関ジャニ∞ら後輩たちが総立ちで手拍子、ネット上では「まるで接待カラオケを観ているよう」「ジャニーズは北朝鮮か」と揶揄されたが、このエピソードからもジャニーズの縦社会ぶりが伺える。
だが、嵐にとってもっとも重要な人物は、メリー喜多川副社長の娘である藤島ジュリー景子副社長だ。ジュリー氏は嵐のプライベートレーベルとして設立された「ジェイ・ストーム」の社長であり、嵐を取り仕切る責任者。そんな彼女が気にしていたのが、キャラ立ちできなかった大野のことだったという。