「薄いピンクの乳頭に口をつけると、赤津から声にならない声が漏れる」
「彼女のいやらしい毛先が僕の手のひらを撫でる。指をぐいっと押し込むと、粘った液体が僕の人差し指にまとわりつく」
と愛撫シーンは情感たっぷりにつづり、
「赤津のあそこはきつくて、僕のものがちぎれてしまいそうだった」
「交わる唾液と下半身から鳴るくちゃくちゃとした音が、どんどん僕を僕ではないものにさせた」
と快感がのぼりつめていくさまもリアル。
「すぐに絶頂がやってきて、僕は彼女の腹部に勢いよく射精した」
と幼さと激しさを併せ持つ純の性を描き切った。
純は逃げ出すかのように赤津の部屋を後にするが、右手が赤津の血で染まっていることに気づく。そしてここからの描写にこそ、アイドルの立場を捨てた、作家・加藤シゲアキの“勝負”が見て取れる。
「赤津の血はまだ僕の手にこびりついていた。ぱくりと指を咥えてみる。鉄の味が広がり、ざらざらとした感触が喉を通っていった」