それが今回、こういう腰砕けになったのはなぜか。もちろん、背景には今、メディアに広がっている安倍政権に対する自主規制がある。
「局に直接、圧力というのはなかったようだが、官邸が事前に親しい番記者などに対して『刑事事件にもなっていない真偽不明の週刊誌情報を国会で追及するのはおかしい』と下着ドロボーを問題にしようとする動きをけん制したんです。その一方で『香典問題については、高木復興相がきちんと説明すべき』と、問題をそっちに誘導するようもっていっていた。この空気が局全体に伝わったということでしょう」(民放テレビ局政治部記者)
なんという弱腰。しかし、この態度は、下着ドロボーだけでなく、安倍政権に対する報道姿勢全般に通底するものだ。そもそも、野党からの臨時国会召集要求に応じない安倍首相の行為は、憲法53条に反している。安保法制同様、テレビはどこまで安倍政権の憲法違反を放置するつもりなのだろうか。
(田部祥太)
最終更新:2016.08.05 06:24