アメリカで一般討論演説を行う安倍首相(首相官邸HPより)
これを日本の恥と言わずして何と言おうか──。本日午前(日本時間)にアメリカ・ニューヨークで安倍晋三首相が会見を行ったが、その席で耳を疑うような発言が飛び出した。
会見の質疑応答で海外の記者に「日本がシリア難民を受け入れる可能性は?」と尋ねられた安倍首相は、このように答えた。
「(難民受け入れは)人口問題として申し上げればですね、いわば我々は移民を受け入れるよりも前にやるべきことがある。それは女性の活躍であり、あるいは高齢者の活躍であり、そして出生率を上げていくには、まだまだ打つべき手があるということでもあります」
難民を受け入れるのか?と聞かれているのに、その回答は「女性と高齢者の活躍と出生率を上げるのが先」。……「って、まったく返事になっていないんですけど」と思わずツッコんだ人も多いだろう。
しかし、この発言によって安倍首相はその本音を露わにしたとも言える。
たとえば、ドイツがなぜ積極的に難民を受け入れているかといえば、労働者の確保としてだけではなく、先の大戦における反省から国際貢献として実施している側面がある。一方、安倍首相は、難民受け入れという国際貢献を果たす気などさらさらない。そして、「女性と高齢者の活躍と出生率を上げるのが先」と憚ることなく話すのは、安倍首相が難民問題を“労働力の問題”としてしか考えていないことを意味している。──安倍首相は安保法案の必要性を訴える際も口癖のように「積極的平和主義に基づく国際貢献」を謳ってきたが、たんなるアメリカの言いなりになることへのごまかし、国際貢献という言葉はペテンでしかなかったのだ。