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寝屋川中1殺害事件で「週刊現代」がやらかした! 容疑者逮捕に間に合わず星野くんの女性関係が原因とのデマ報道

 しかし、これらのほとんどはデタラメだ。星野くんと平田さんが付き合っていたというのも、実際はほとんどの同級生が否定しており、女子同士の対立というのも実際の取材ではまったく出てきていない。また、「子供出来た」というLINEは2人が行方不明になった後のもので、殺害犯のなりすましの可能性が高いことは「現代」も把握しており、わざわざ出す意味がわからない。

 さらに、平田さんの母親は行方不明になった翌々日には、寝屋川署に行方不明届けを出しており、日常生活を把握していないというのもありえない話だろう。

 とにかく、「現代」の記事は現場で飛び交っていた無責任な噂を全部ぶち込んだとしか思えないものだった。

 しかし、ここで指摘しておかなければならないのは、これが「現代」だけの問題ではないということだろう。

 他の週刊誌も「現代」と同様の、いやそれ以上に鬼畜でデタラメな取材をしていたが、「校了」前に容疑者が逮捕された、もしくはまだ事件の詳細がわかっていなかったため、記事を出さずにすんだだけのことだ。

 たとえば、同じ月曜日発売の「週刊ポスト」(小学館)は夏休み合併号の関係で前週の21日(金曜日)に発売されたため、そもそも事件に触れることができなかった。また未成年が関係する事件に異様な意欲を示す「週刊文春」(文藝春秋)、「週刊新潮」(新潮社)の発売日は毎週木曜日で校了は火曜日。そのため、土曜日から記事の方向性を軌道修正することが可能だった。

 もし、犯行に関わったとされる45歳男性の逮捕のタイミングが数日ずれ込めば、あるいは事件が夏休み合併号というタイミングで起こっていなければ、主要4誌といわれる「週刊文春」「週刊新潮」「週刊現代」「週刊ポスト」の全てに、被害者である星野くんを犯人と示唆し、そのプライバシーを暴くおぞましい記事が掲載されたことはほぼ確実だっただろう。

 たしかに、新聞やテレビが報じない事件の裏側を掘り起こすのはゲリラジャーナリズムたる週刊誌の役割だ。しかし、政権のスキャンダル、有名企業や大物芸能人に切り込むならともかく、こんな一般市民、しかも子どものプライバシーをあげつらうのが、まともなメディアのやることだろうか。

 これでは、2ちゃんねるの無責任な書き込みとなんら変わることはない。週刊誌の売れ行きがどんどん落ちるのも当然かもしれない。
(伊勢崎馨)

最終更新:2015.08.25 06:26

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