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集団的自衛権で対IS戦争に参戦? 自衛隊が米軍と中東想定の大規模戦闘訓練実施するも安倍政権がひた隠し

 実際、最近になってこんな報道も出ている。今年6月20日から7月1日にかけて、陸上自衛隊は、アメリカとモンゴルが主催する、23カ国合同訓練「カーン・クエスト15」に参加。この訓練は公式発表によればPKOの訓練が目的だというが、実態はこれと異なった可能性がある。「週刊プレイボーイ」(講談社)8月10日号で、フォトジャーナリスト・柿谷哲也氏がこの演習を現地取材した印象を伝えているのだが、それによれば、カーン・クエスト15は「自衛隊が先陣を切ってパトロールを行い、襲撃を受け、後方からモンゴル軍が応援に駆けつけるという設定だった」という。つまり、自衛隊は最前線を任されていたのだ。

 このシチュエーションを想定したのが主催国のアメリカだとすれば、安保法制でいうところの「後方支援」と食い違う。前述のNTCでの日米合同訓練でも、こうした“前線に陸自が投入される”ことを想定した訓練がなされたのでないかという疑念は拭えない。

 というのも、恐ろしいことに安倍政権は、こうした自衛隊の訓練の詳細を国民に公開しようとしないからである。

 たとえば30日の参院特別委では、井上議員がNTC日米合同訓練の詳しい内容を知るため防衛省に資料を求めたところ、出てきたのは「真っ黒」の書類だったことを明かした。また先の衆院特別委でも、資料として提出された「イラク復興支援活動行動史」という書類の大部分が黒塗りであり、強行採決後になってやっと黒塗りが外されたものが出てくる始末だったと、共産党・小池晃副委員長が指摘している。どうやら、政府は都合の悪い情報を徹底的に隠していく方針らしい。

 安倍首相らは、集団的自衛権の行使条件について「客観的、合理的に判断する」と何度も繰り返しているが、他方で肝心の“判断材料”はこうして秘匿する。これでは、国民のあずかり知らぬところで、ときの政府が勝手に物事を進めてしまうことを防げないではないか。

 そして、安倍政権による中国脅威論の影にちらつく「対IS戦争」の思惑。国民が気がついたときには、いつのまにかアメリカの戦争に日本が参戦している──そんなことにさせないためには、この戦争法案を廃案とするだけでなく、一刻も早く安倍首相を総理の座から引きずりおろすしかない。
(梶田陽介)

最終更新:2015.08.04 03:51

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