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集団的自衛権で対IS戦争に参戦? 自衛隊が米軍と中東想定の大規模戦闘訓練実施するも安倍政権がひた隠し

 7月30日の参院特別委では、共産党の井上哲士議員がこの日米合同訓練について質問した。中谷防衛相の答弁によれば、この日米合同訓練に参加した陸自・富士学校部隊訓練評価隊の装備は、小銃、重機関銃、無反動砲(バズーカの一種)、対戦車誘導弾、戦車、装輪装甲車などだというが、こうして列挙するだけでも充実した殺人兵器を訓練に使用したことがわかる。だが、より恐るべきは米側の参加部隊であるストライカー旅団の戦歴だ。

 井上議員が国会で米陸軍HP上のニュースなどをもとに説明したところによれば、このストライカー旅団というのは「全世界に96時間以内に展開する機動性を持った部隊」であり、なかでも陸自が共同で演習した第3ストライカー戦闘旅団は「イラクへ3回、アフガニスタンへ1回展開した、ストライカー旅団の中でも最も展開をした経験」を持つ部隊であるという。さらに、先に触れた「対抗訓練」も「攻撃」「防御」「反撃」と、明確に目的を区分されており、単なる専守防衛とははっきりと異なるように思える。繰り返すが、自衛隊はこうした実績を持つ米軍部隊と、実践形式の訓練を行っていたのである。

 安倍首相は、この日米合同訓練の必要性について問われ、こう答弁した。

「日米の安保条約の第5条において、日本が侵攻を受けたときには日米で共同対処するわけであります。(中略)この場所(NTC)が最も適切であり、かつ効率的と考え、本訓練を実施したものでございます。その上において、今、何で戦車というお話がございましたが、まさに日本に侵攻されたときには、まさに陸上自衛隊と米軍が共に共同対処するのは当然のことでありまして、この共同対処をする日頃の練度を高めていくことが精強性を増し、そしてそれは抑止力につながっていくと、このように考えております」

 無理のある答弁だ。「日本が侵攻されたとき」というが、日本の領土のどこに、この訓練で想定された約3500平方kmもの広大な砂漠地帯があるというのか。国内最大級である鳥取砂丘の90倍以上の面積である。

 ようするに、明らかにこの合同訓練は、自衛隊の中東派兵及び対テロリストへの武力行使を想定した訓練だったのだ。それをあたかも旧来の専守防衛の範囲のように語るのは、詭弁としか言いようがない。

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