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あの赤川次郎までが怒っている!「安倍首相に日本が壊されていくのを見てイライラ」と

 事実、今年1月に発売された雑誌「図書」での連載エッセイをまとめた『三毛猫ホームズの遠眼鏡』(岩波書店)では、赤川氏は安倍首相への強い批判を寄せている。

〈安倍首相は尖閣やアルジェリアの人質殺害など、あらゆる機会を利用して、自衛隊を軍隊にしたいのだろう。政権への冷静な批判を今のジャーナリズムに期待できない以上、私たち一人一人が、「戦争をしない」という意志を強く持つしかない〉
〈安倍晋三首相が「従軍慰安婦問題」で相変らず「強制はなかった」と言い続けることで、日本は人権問題の後進国として世界から孤立しようとしているのだ。銃を突きつけて連行されたのでなければ強制ではない、などと言う人には、想像力のかけらもないのだろう〉
〈安倍政権にすり寄って「愛国」を叫ぶ人々は、自分が年老いて、誰も支えてくれる者のない生活をしているところを想像してみるといい。それは必ずやって来る「現実」なのである〉

 また、赤川氏は同書に収められている講演会録で、同業者である百田尚樹氏のような人物に対しても苦言を呈している。

「書き手として独立した精神をもっているということより、逆に、大きな権力にすり寄って、権力のなかに入りたいというような作家が目立つようになってきました。作家だからといって反体制であるべきとは思いません。しかし、権力から独立していることは、ものを表現する人間としては最低限のモラルです。
 ものを書くということは、ある意味で人に対する挑戦です。意見を表明することは、おおやけの場での反駁を覚悟していることでもあります。上からの目線で発言するのではなくて、下の目線に立って、上に向かってものをいう、ということが、かつては作家というものの当然のあり方でした」

 作家として、いま何を書き、ものを言うべきなのか。そうした意識と覚悟をもって、赤川氏は安倍首相批判を行っているのだ。それは、「安倍政権になってから、日本が壊れていくのをただ手をこまねいて見ているような、イライラする気持」からであり、また「軍備をもつということに抵抗のない表現者が出てきた」ということに「この世代の者として、たいへん心配であり、不安な部分であると感じて」いるためでもある。

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