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テレビで憲法がタブーになった! 憲法記念日に民放はスルー、NHKは政治家に丸投げ

 こうして見ると、TBSだけが際だって憲法問題に力を入れているようにも思えるが、それは大きな間違い。これまで一度も変えずにきた憲法が改正されようとしている、その大きな分岐点であり、憲法について考えるための祝日だったのだ。TBSの報道は当然の姿というより、食い足りないくらい。むしろ、他局の「ストレートで1回触れておけば十分」と言わんばかりの姿勢が異常すぎるのだ。

 そんななかでも、とくに露骨なのはフジテレビだ。なんと、フジテレビは日曜から月曜にかけて、憲法問題について触れた番組は一切なし。他局が足並みを揃えて集会の様子を伝えた日曜夕方と月曜朝のニュース枠でも、フジの『FNN みんなのニュース Weekend』と『めざましテレビ』だけは取り上げることがなく、憲法のケの字すら出てこない始末。改憲の大合唱を行いそうなタカ派番組『新報道2001』でさえ、憲法記念日当日の特集は「ニュージーランドSP」というユルさ全開の放送だった。

 しかし、民放以上に奇っ怪だったのは、公共放送局・みなさまのNHKだ。

 まず、1日(金)の『ニュースウオッチ9』では、NHKが行った憲法改正にかんする世論調査の結果である「改正する必要があると回答した人が28%、必要ないと回答した人が25%、どちらともいえないと回答した人が43%」という数字を発表し、各党の主張を紹介。いかにも中立を守りましたと言いたげな独自色のカケラもない内容でお茶を濁したが、これは3日(日)の『日曜討論』も同様で、自民党の高村正彦や民主党の長妻昭といった各党の代表10名がダラダラと安保法制について言いたいことを言うだけ。

 ただ、政党の意見をバランスよく取り上げたとしても、改憲派が圧倒的であるため、改憲の正当性ばかりが強調されているように聞こえる。とくに前述の『ニュースウオッチ9』では、各党の意見としてVTRで取り上げた政治家は、共産党・志位和夫委員長以外は全員改憲派。民主党の代表として取り上げられたのも積極的な改憲派である松原仁議員で、冒頭で紹介した櫻井よしこが登壇した改憲派による「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の集会にも民主党で唯一参加したような議員である。

 このNHKによる政権ヘの気の遣い方は、報道だけでなくドキュメンタリーでも見て取れる。改正の動きが出ている最中の憲法記念日なのだから、『NHKスペシャル』や『ETV特集』といったドキュメンタリー枠でも憲法をテーマに選ぶのがこれまでの流れだと思うのだが、それさえなかったのだ。

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