そして会場は自社でやるとエンドレスになるため時間を区切ってホテルで。また、違法農薬を使った中国産の米の売買が発覚した場合を例に、会見での具体的発言をレクチャーする。
「『商品の回収など生ぬるいことでは問題を反省したことにはならない。現地法人の経営者を即刻クビ、法人を解散させる』と、記者をびっくりさせる大げさな幕引きをするという手もある。後日、同じ人間を経営者に、別の名前の会社が、同じ場所で発足するという算段だ」
メディアの追求は一過性のものだから、時間が経てば後追いしないと飯島氏は嘯く。
企業に社会的責任が求められる昨今の傾向とは真逆の、無責任きわまりない手法のアドバイス。こんな人物が内閣参与を務めているという事実に愕然とするが、実は飯島氏は政治家に対しても、同様の事実隠蔽、責任放棄をすすめている。
例えば第二次安倍内閣改造で経産相になり、その後政治資金の問題で辞任した小渕優子議員について、飯島参与は自分なら「辞任を防ぐ手立てがあった」と豪語するのだ。
飯島参与はこれまで数多くの閣僚の身体検査を行ってきたが、ほとんどの政治家は怪しい領収書の一枚や二枚は必ず出てきたという。そこで指示するのが政治資金収支報告書の“修正”だった。
「収支報告書はいくらでも修正できる、という特徴を最大限に利用し、閣僚候補の報告書から怪しい領収書が見つかった場合は、ただちに怪しげな記載事項についての修正を行わせていた」
収支報告書の“修正”ではなく“改ざんのススメ”ともいえるものだが、飯島参与はこれを自分の手柄だと言わんばかりに自慢し胸を張る。そして小渕議員に関しても問題発覚の経緯から十分に“改ざん”が可能だったと主張する。
「実は小渕氏の政治資金問題を最初にスクープしたのは『週刊新潮』ではない。スクープ記事が発売される約一カ月前、内閣改造直後の九月一八日付の「しんぶん赤旗」が、『小渕経産相。第三の“財布”/企業・団体献金二七五八万円』と報じている」
よって「しんぶん赤旗」の報道が出たときに、さっさと収支報告書を“修正”していれば、辞任することもなかったと、小渕事務所や経産省に説教するのだ。