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安倍政権を批判しただけで「イスラム国寄り」人物リストに! 戦前並みの言論統制が始まった

 また、『報道ステーション』(テレビ朝日系)での安倍批判で番組を降ろされたと言われる古賀氏も同番組での発言にネット上で非難が相次ぎ、神奈川県警から、「危ないから、自宅周辺の警備を強化させていただきます」と言われたという経験を語った。

 ジャーナリストや作家らが立ち上げた「翼賛体制構築に抗する声」が、今後、どこまで広がっていくかは未知数だが、少なくとも、私たちメディアに関わる者はどんな圧力がかかり、非難を浴びせられようとも、それに屈せずこの間の安倍政権がやってきたことを検証していく必要がある。

 疑惑はいくらでもある。たとえば、『報道ステーション』が放映した、安倍首相が行ったカイロスピーチが「総理官邸が主導して作成した」という外務省幹部の証言。

 これを受けて外務省は、すかさず抗議の申し入れをしているが、その数日後、今度は世界35カ国で展開しているウェブマガジン「VICE News」が、(安倍政権の)報復をおそれて匿名で取材に応じた外務省のある高級官僚の証言を取り上げている(2月6日)。

 その記事によれば、問題のカイロスピーチについて、その官僚は、「外交上の、即席で作られた爆弾」のようだったと述べた上で、「『ISISの脅威を食い止めるため』と『ISISと戦う周辺各国に2億円の支援をお約束します』という文言は、外務省がチェックしたスピーチ原稿には入っていなかった」、「ISIL(イスラム国)のような急進的な集団にとって、そうした言葉が宣戦布告になり得ることは、一年目の外務官僚でも分かること」と証言したというのだ。

 しかもこの記事は、人質救出交渉に成功した経験のあるトルコでなくヨルダンに対策本部を置いたことについて、じつに興味深い証言を載せている。証言の主は、国際的な人質事件に関わった経験をもつ、警察庁に近い人物で、論理的に考えてトルコに設置するのがベストだと進言したにもかかわらず、経済産業省、外務省、内閣府から反対されたというのだ。

 日本はトルコと220億ドルに上る契約を結び、黒海沿岸に原子力発電所を建設することになっているが、人質解放の交渉がうまくいかなかった場合、トルコは「イスラム国」のテロリストによる攻撃をおそれて、原子力施設の新たな建設に対して消極的になるなど、マイナスの影響が出るかもしれない、というのがその理由だという。
 
 もちろん、「VICE News」というメディアの特性上、この情報をそのまま鵜呑みにするわけにはいかないが、しかし、問題は、日本のメディアがこうした疑惑を一切報道しないどころか、検証さえしなくなってしまったことだ。

 古賀氏は先の会見で、「報道の自由」が失われるまでには3段階あるとし、「ホップ」で報道の自由が抑圧され、「ステップ」で報道機関が体制に迎合し自粛するようになり、「ジャンプ」で選挙による独裁政権が誕生すると指摘した。その説にならえば、今の日本は、まさに報道機関が体制に迎合し自粛する「ステップ」段階のまっただ中にあるということだろう。
(佐々木望)

最終更新:2017.12.13 09:30

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