なるほど、UFOは原爆など作ってしまったおろかな地球人を監視するために現れていたのか! えらいな宇宙人! そんな宇宙人の心根には大賛成だが、UFOはチェルノブイリ原発事故の際も人類に大きな寄与をしたらしい。
「破損した第四原子炉の一〇〇〇フィート以内に、真鋳のような色をした火球を目撃したと技術者たちが報告している。UFOは二本の明るい光線を発射、第四原子炉に照射した。UFOは三分ほどその地域に滞空した」
そしてUFOの出現直後、毎時三〇〇〇ミリレントゲンだった放射線レベルは八〇〇まで下がったという。……いやはや知らなかった。UFOが原子炉に赤い光線を発射し、放射線量を下げてくれていたなんて。
著者はこれを信じ難いといいながら、「多くの目撃談があるので事実なのでしょう」と結論づける。
そしてUFOは日本でも重大な原発事故を防いだ実績があるらしい。2000年3月と7月、宮城県松島基地のブルーインパルスが墜落する事故が相次いで起こった。この際、至近距離にある女川原発に衝突する可能性があったとして大きな批判を浴びたが、その後、事故機が原発を回避する不可思議な行動をとっていたことが判明したという。
「事故編隊は、滑走路東側から侵入しようとして女川湾上空を西向きに飛行し、女川原子力発電所に接近していますが、その直前になぜか南側に進路を変えて、ほぼ南南西方向の二一一度で光山に激突しているのです」
だが著者は、不可思議な旋回と方向変更が、「実にうまく女川原発を回避している」と指摘するのだ。もちろん、ここでもUFOの存在が示唆される。
「案外、いつも基地上空で訓練を眺めているUFOが、チェルノブイリの放射線レベル減少同様、女川原発事故を防いでくれたのかもしれません。二〇一一年の東日本大震災のときも、女川原発は無事でした」
女川原発には上空のUFOが見守ってくれていたが、福島第一原発にはそれが存在しなかった。そのことが日本に大災害をもたらした。──そうか、そうなのか。返す返すも残念である。
さらに著者はそのUFO熱からか、目撃談が多い東北地方に注目、縄文時代の高度な土偶、宇宙人伝説、UFO神話にまで及んでいくのだ。
「土偶が盛んに作られた時代、そんな高度な技術は東北地方のみならず、地球上のどこにもなかったでしょうから、これはやはり宇宙人が作ったものではないか」
うーん。スゴいな、航空自衛隊元エリート! ちなみに著者の佐藤サンのUFO目撃談は2011年7月、家族でドライブ旅行の際、東北自動車道で息子とともに上空にオレンジ色に輝く物体を目撃したのが唯一の体験らしい。上空じゃなくて陸地……。それでも、こんな本を書かせるんだから、ホントUFOって奥が深い。
(林グンマ)
最終更新:2014.12.26 07:48