いまや、書店に代わって、コンビニは週刊誌の有力な販売チャネル。紙メディアにとってはセブンに置いてもらえるかどうかは死活問題になってくる。ヘソをまげられてはたまらないということか。さらに、鈴木会長は大手取次会社「トーハン」出身であり、現在、トーハンの取締役を務めている。
00年に発売された『鈴木敏文 経営を語る』(江口克彦/PHP研究所)では「いまではチェーン全体の書籍と雑誌と年間売上げは約一四〇〇億円。基本的にセブン‐イレブンで売っている出版物はすべてトーハン経由ですから、トーハンの売上高の約一割はセブン‐イレブンのもの」と語っているほどだ。00年当時2兆円だった全売上高は現在3.7兆円になっており、よりセブンの存在感が増していることは容易に想像できる。
かつて、鈴木会長の独裁体制による社内の閉塞状況をあばいた『セブン-イレブンの正体』(古川琢也、金曜日取材班/金曜日)が取次より配本拒否にあった過去もある。出版社としてはコトを荒立てたくないのだ。結局、セブンネットショッピングの自殺記事もコンビニ売りが少ない月刊誌「サイゾー」(サイゾー)で簡単に掲載されただけだった。出版関係者もこう話す。
「出版社では雑誌の中でも『セブン』という名前をできるだけ使わないという自主規制が働いています。広告が大量出稿されるラジオ番組でも『東京電力の批判はOKだが、セブン批判はNG』になっています」
いまや、メディアは報道できないどころか、事実上、セブンのブランドイメージはセブンだけがコントロールできる状態になっているのだ。
(小石川シンイチ)
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最終更新:2014.12.04 07:46