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GDPマイナスは当然! アベノミクスのまやかしはデータが証明していた

 安倍政権の公共事業拡大政策を振り返ってみよう。安倍内閣発足直後の2013年1月には公共事業の拡大を柱にした総額10兆円の巨額の2012年度補正予算を編成。

 2013年度の当初予算は92兆6000億円(前年度当初予算比2.5%増)の大規模予算だ。このうち公共事業関係費は5兆3000億円(前年度比15.6%増)。2013年度補正予算も公共事業が中心で総額5兆5000億円だった。

 そして、2014年度の当初予算は95兆9000億円(前年度当初予算比3.5%増)で過去最大規模の超大型予算だった。このうち公共事業関係費は約6兆円(ただし、特別会計の統合分0.6兆円を含む。これを除けば5兆4000億円、前年度当初予算比1.4%増)だ。

「二〇一三年の公共投資の前年比実質伸び率は一一%を超え、リーマンショック後の〇九年の伸び率(七%)や、一九九七、九八年の大不況からしゃにむに日本経済を脱出させようとした九九年の小渕内閣時の伸び率(四%強)、そして、バブル破裂による不況からの脱出を図った九六年の伸び率(五%強)を大きく上回っています。平時としては異常な大きさとなっています。その分、経済成長への寄与も大きく、二〇一三年のGDP実質成長率一・五%のうち〇・五%は公共投資の伸びによるものでした。この寄与率の高さは一九九六年(〇・五%)以来のことで、近年で最高です」(同書より)

 公共事業を増やせば経済は成長し、その分景気が良くなるが、国債残高も膨らむ。

「二〇一四年四月から安倍内閣は消費税率を八%とし、三%引き上げました。それによる一四年度予算の国の税収増をおよそ五兆円と見込んでいます。しかし、一四年度予算では国債発行額を四一・三兆円と見込んでおり、一三年度比一・六兆円しか減らせないとしています。この結果、一四年度末の国債残高はおよそ七八〇兆円と、一三年度末比三〇兆円ほど増える見通しにあります。増税しても年間の財政赤字の額(国債発行額)はあまり変わらず、政府の借金残高(国債発行残高)は増え続けるという状況です」(同書より)

「世界一の借金王」という自嘲的な言葉を吐いたのは在任中の小渕恵三首相だったが、安倍政権は小渕政権を超えた“借金王”に上りつめた。公共事業拡大という旧来の土建国家型政策では、潤うのは自民党とそれを支持する建設業界だけなのだ。多くの国民の生活はいっそう苦しくなるが、さらに「毒の矢」ともいうべき「第三の矢:民間投資を喚起する成長戦略」が追い討ちをかける。

「第三の矢:民間投資を喚起する成長戦略」では「世界で一番企業が活動しやすい国」を目指し、そのために「財政、税制、規制改革、金融政策などのツールを駆使する」というものだが、減税に労働規制の緩和などの構造改革によって企業にとっては都合の良い国になるのだ。

「企業収益の更なる拡大が実現し、雇用機会の拡大、賃金の上昇、配当の増加というさまざまなチャネルを通じて、脱デフレの果実が最終的に国民に還元される、真の好循環が実現する」(「『日本再興戦略』改訂二〇一四──未来への挑戦」2014年6月閣議決定)

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