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500万人を魅了した伝説の昭和裏ビデオ『洗濯屋ケンちゃん』とは!?

「現物を入手した週刊誌各誌は画面撮りを入れて紹介。それは観たくとも『どうやって手にいれたらいいのか?』『何処で売っているのか?』という飢餓感をも煽り、『ケンちゃん、観た?』はサラリーマンたちが酒場で交わす合言葉となった」(同書)

 またたく間に一般層に普及した『ケンちゃん』の売り上げは、「15万本とも50万本とも言われ」たというが、購入者がダビングして貸し、さらにまたダビングし……が繰り返され、視聴した人間の総数は「おそらく現在でいうダブルミリオン(200万人)を軽く越え、500万人に達していた」と推測されている。

 実は、家庭用ビデオデッキの普及は、『ケンちゃん』の大ヒットと同時期であったという。男性読者諸賢はなんとなくその理由を察しているだろうが、AVライターの沢木毅彦氏による解説がこれまた昭和的でおもしろい。

「ビデオデッキがまだ高値だった時代、この作品をおまけ商品とした電気屋が日本各地にあった」
「自室で和製のモロ見えのハードコアを一人で楽しめるのだ。『デッキを買えば“ケンちゃん”が見られる』口コミが広がった。インターネットなどはなく、地方都市にはアダルトショップもない。頼りは商店街の電気屋さんだけ」(同書)

 ビデオデッキの売上に多大なる貢献を果たした作品、『ケンちゃん』。それではお待ちかね、その中身をお教えしよう──。

 むっちり美人の人妻が、部屋で自慰に耽っている。剃り上げられた秘部にバイブを挿入、しばらく喘ぐと、腰を浮かせ絶頂を迎える。

 場面が変わり、洗濯屋のケンちゃんが登場。ケンちゃんは彼女をデートに誘い、草が生い茂る河原の土手へ連れ出す。そしてその場で人妻を押し倒し、丹念に愛撫する。

 そのまま2人は全裸になり、後背位と正常位のアオカンに突入。自然光で見る人妻の艶かしい裸体といやらしい喘ぎ声は、なかなかエロティックだ。

 後半は雰囲気がうってかわり、ケンちゃんが友達の彼女を騙してラブホテルでファックという展開。こちらも思いきりのよい生本番である。

 ……お楽しみいただけただろうか? 物心ついたときから無修正が氾濫している環境で育った20代が見たら、「なんて生ぬるい」と思うかもしれない。だが、そこに漂う、現代では再現不可能な昭和ならではの淫靡な雰囲気が、当時の熱狂ぶりを思い起こさせる。

 同書には他にも、名もなき美少女とゴン太いイチモツの持ち主がラブホテルでまぐわう『少女伝説』や、裏ビデオ初期のスター女優・宮地ヨシ子が新人OLに扮し、「やめて下さい、課長」という抵抗むなしくハメられ、正常位や騎乗位で積極的に乱れる『終冬』など、名作の貴重な画面写真と作品解説が収録されている。

 ワンタッチで簡単に無修正に辿り着くのもいい。だが、きっと一生忘れられないのは、こういった昭和の名裏ビデオたちだろう。
(羽屋川ふみ)

最終更新:2018.10.18 03:48

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