たとえば、昨年11月の高市首相の台湾有事発言の際、「国会全体の質問の質が問題」と失言をした高市首相でなく質問した野党議員に問題があるかのように言ったり、「政局たたき一色みたいにあおる空気をつくるってことも自分はメディア側にいる人間としてはしないようにしたいなと気をつけたいと思います」「国内で政権をたたくように持っていったら、むしろ相手の思うつぼになってくるんじゃないかなあ、その危険の一端を担わないようにしたいと思います」と、まるで戦時中のように、政権批判する者は非国民、国賊とでも言わんばかりの発言までしている。(11月24日放送)
大きな批判を浴びた早期解散についても「国民が思っているのは何よりも先に物価高対策」「意義が……」と疑問を呈しつつも、「ただ、選挙をやり直さないといけないくらい、前の状態が例えば(野党が)本当に関係のない質問、結果に至らないような質問をして遅延行為をやっているとか、こういう環境を壊したいからとかそういう理由があるんだったら」と勝手に忖度して、高市のわがまま解散を野党のせいにしてみたり。(1月15日放送)
さらに、2月の衆院選での中道改革連合の大敗について「今回の大敗ってものすごく大事なものであって、国民の求めるものの裏返しだから、国民はそんなことを求めてないよというメッセージ」「政策よりも政局中心で相手の批判とか揚げ足を取ることばっかりをやっているけど、それを聞いたところで我々はあなたたちを支持しませんよということなので、これからは揚げ足取りとかではなく、批判の競争をするのではなく提案の競争になっていかないともうだめですよということだと思う」と野党を痛烈に批判。(2月12日放送)
当たり前だが野党も政策を提案しているし、与党の政策や失政、不祥事を批判することは「揚げ足取り」ではない。だいたい国民は「揚げ足取り」を求めていないと言うが、中道やれいわ、共産党などむしろ野党への悪口はネット上でも連日バズっていた。しかも、その後「週刊文春」がスクープした高市陣営による誹謗中傷動画問題を見れば、「相手の批判とか揚げ足を取ることばっかり」やっていたのは、高市自民党のほうだったのだが、山里は高市陣営による誹謗中傷動画問題をどう考えているのだろうか。
とにかく、いろいろエクスキューズはつけているが、山里が高市政権に擁護的で、野党や政権批判に対してネガティブなのは明らかだ。
一方、『銀河の一票』には、現状の政治つまり自民党政治に対する批判的な視点がさまざまに織り込まれている。
黒木華演じる主人公・茉莉の父が幹事長を務める政権与党「民政党」は、誰がどう見ても自民党がモチーフだし、また自己責任論を批判し弱者や生活困窮者にフォーカスした政策を打ち出すのも、長らく続く自民党政権による弱者切り捨て政策に対するアンチテーゼとなっている。さらに、黒木演じる茉莉が父と袂を分かつきっかけとなった、告発の投書を握り潰される一件も、自民党が数々の不祥事で告発者潰しを図ってきたことや、小さな声をなきものにしてきたこととも重なる。登場人物たちが語る、現状の政治への不満はそのまま自民党への不満だろう。