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岸田内閣改造で統一教会癒着政治家が入閣! 文科大臣は統一教会との関係隠し、教科書問題で灘校に圧力の盛山正仁

 しかも、統一教会問題を抜きにしても、盛山氏は文科相にまったくふさわしくない。というのも盛山氏は、母校の教科書採択をめぐって“圧力”をかけるという蛮行を働いたことがある人物なのだ。

 当時、本サイトでもお伝えしたが(既報参照→https://lite-ra.com/2017/08/post-3360.html)、2017年に受験最難関クラスである私立灘中学校・灘高等学校(神戸市)の和田孫博校長が、歴史教科書の採択をめぐり、政治権力や右派勢力による具体的かつ組織的な“圧力”があったことを告白。灘中は2016年度から「学び舎」という出版社がつくる新規の歴史教科書「ともに学ぶ人間の歴史」を採択したのだが、和田校長によると、2015年末に〈ある会合で、自民党の一県会議員から「なぜあの教科書を採用したのか」と詰問〉され、さらに年明けには〈本校出身の自民党衆議院議員から電話がかかり、「政府筋からの問い合わせなのだが」と断った上で同様の質問を投げかけてきた〉という。

 じつは、この〈本校出身の自民党衆議院議員〉というのが、盛山氏なのだ。

 実際、2017年8月4日付の神戸新聞は「なぜ採択したのか」と問い合わせをおこなったのは、自民党の盛山議員と和田有一朗・兵庫県議(当時。現在は日本維新の会所属の衆院議員)だったと報道。同紙の取材に対し、盛山氏は「灘中の教科書について、OBとして周囲から疑問の声を聞いたので、校長に伝えただけだ」「『政府筋からの問い合わせ』と言った覚えは全くない」と回答。ちなみに、同年8月19日にはこの問題を朝日新聞も報じたが、その際の盛山氏の回答は「『政府筋からの問い合わせ』と言ったかどうかは覚えていない」とやや変化している。

 学び舎教科書は平成16年度検定以降、この教科書が他の中学校教科各社が一切採用しなかった慰安婦に言及し、河野談話も取り上げていたため、歴史修正主義の極右連中から強く敵視されていた。つまり、盛山氏が「政府筋の問い合わせ」として、灘中の校長に対し「なぜあの教科書を採択したのか」などとわざわざ問い合わせた行為は、歴史修正主義の立場からプレッシャーをかけるという、完全な「政治的圧力」にほかならない。

 しかも、盛山氏からの「問い合わせ」の翌月からは、「何処の国の教科書か」「共産党の宣伝か」などと誹謗する匿名のハガキが灘中に次々と届きだすという事態に発展。この事件は毎日放送のディレクター・斉加尚代氏によるドキュメンタリー映画『教育と愛国』および同名タイトルの書籍(岩波書店)が詳しく伝えているが、ともかく盛山氏は、教育現場の自主性を奪おうという、おおよそ国会議員にあるまじき卑劣な行動をおこなったのだ。そんな教育現場に直接、政治的圧力を加えた盛山氏を、教育行政を担う文科大臣に抜擢するとは──。まったく信じがたい暴挙としか言いようがないだろう。

 そもそも、前述の防衛大臣となった木原稔氏にしても、統一教会との関係だけではなく、2015年には百田尚樹氏の「沖縄の二つの新聞は潰さなあかん」をはじめ、言論弾圧発言が飛び出し問題となった自民党の「文化芸術懇談会」の代表を務めたことでも知られている。また、2017年には“「子供たちを戦場に送るな」と主張することは偏向教育、特定のイデオロギーだ”と糾弾、自民党HP上にそうした学校や教員の情報を投稿できる“密告フォーム”を設置したが、これを実施した自民党文部科学部会の会長も木原議員だった。ちなみに、この“密告フォーム”問題を木原議員に取材した毎日新聞の記事には〈木原さんの事務所には「教育勅語」全文を記した額が掲げられていた〉と書いてある(2016年7月28日付)。ようするに、「危急の大事が起きたら一身を捧げて皇室国家のために尽くせ」とする教育勅語を掲げるような人物を、防衛大臣の座に就かせてしまったのである。

 統一教会との関係を検証することを放棄した岸田政権が、統一教会とも軌を一にする極右思想に共鳴する議員を、事もあろうに教育・防衛行政のトップに据える──。このように恐ろしい事態となっているにもかかわらず、テレビや新聞の大手メディアではこれらの問題が取り上げられていないどころか、統一教会との関係問題にさえ踏み込まないメディアまである。

 統一教会との関係の検証・清算を放棄し、歴史修正主義や戦前回帰など安倍政権を継承する岸田政権。内閣改造で明らかになった閣僚・党役員の問題について、臨時国会ではしっかり追及をおこなわれることに期待したい。

最終更新:2023.09.14 11:16

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