さらに、藤田幹事長による「週刊文春」批判は止まらない。
「週刊文春」は文通費問題と合わせて、馬場氏の「政策活動費」の問題に言及。2016年から2021年のあいだに、「日本維新の会本部」は馬場氏が代表を務める政治団体「日本維新の会国会議員団」に約9億6400万円を支出しており、さらにそこから「政策活動費」名目で「馬場伸幸」個人に約2億4300万円を支出していると指摘したのだ。
たしかに、政治資金規正法では政党から政治家への寄付が例外的に認められており、維新以外の政党でも幹部に対し、使途の報告義務がない「政策活動費」や「組織活動費」といった名目で支出をおこなっている党はある。だが、維新は「『身を切る改革』と徹底した透明化」を掲げる政党であり、代表の“政治資金の私物化”疑惑は捨て置けない問題だ。しかも、その使途不明金は約2億4300万円という巨額にのぼるものなのである。
しかし、この当たり前の報道に対し、藤田幹事長は信じられないような反論を繰り出したのだ。
「(政策活動費について)もう、すべて領収書があって、何に使ったかというのはわかるように党内のガバナンスとしてなってますから。だからこれを馬場代表、または党のガバナンスのあり方が杜撰で無茶苦茶であるかのごとく誤った認識のもとで書くということについては、これ、報道のあり方としては僕は明確に間違ってると思うので、そういうものについては抗議していく」
「そういう間違った情報を国民のみなさんも知ることになり、誤解になって正しい判断ができなくなる」
巨額の政治資金が馬場氏個人に寄付され、使途不明金となっている問題について、藤田幹事長は、なんと「何に使ったかは党内でわかるようになっている」と言い出したのである。党内で把握したところで、それが何に使われたのか国民に公開されないのであれば、それは「使途不明金」にほかならないではないか。何が「間違った情報」だ。
このように、馬場代表の「乗っ取り疑惑」について具体的に説明・反論しない代わりに、馬場代表の「政治とカネ」報道に対して、いちゃもんとしか言いようがない滅茶苦茶な反論をがなり立てた藤田幹事長。だが、この反論によって、維新がいかに身を切らず、身内に甘い政党であるのかがはっきりしたとも言えるだろう。
ちなみに、「週刊文春」はその後も継続して取材をつづけており、本日公開の「週刊文春電子版」では「乗っ取り疑惑」の続報を掲載しているという。馬場代表の逃げ切りを許さないためにも、大手メディアもダンマリをつづけるのではなく徹底追及してほしい。
(編集部)
最終更新:2023.08.22 03:01