しかし、馬場代表の文通費横流し問題に対する藤田幹事長の反論は、まったく反論になっていないシロモノだった。
「『文通費を公開しましょう』って言って、僕ら公開してます。(中略)以前は使ったものを領収書公開すると。これ、他党やってませんから。全部公開して、何に使ってるかがわかると。で、残金があった場合は政党支部、自分が代表の政党支部に繰り入れさせてもらうと。そうすると、政党支部に入るということは全部、収支報告で公開されますから。だから全部公開されると。これを何かロンダリングしてるとか、自分たちのために使ってるとかっていうのは、もうなんか、ようするに、まったく理解の浅い勉強不足の人が言ってるだけで」
「馬場代表は勝訴したこともある」とまで言うのでどんな反論をするのかと思いきや、さんざん批判されてきた「セルフ領収書」を正当化しただけ。しかも「政党支部に入るということは全部、収支報告で公開されますから」などと藤田幹事長は胸を張ったが、前述したように政治団体に流された文通費の具体的な使い道はわからない。しかも、維新議員の2020年分の政治資金収支報告書を見ると、文通費を横流しした先の政治団体では新興宗教団体への講習会費や飲み食い代、維新の地方支部・議員への会費・寄付に流れていたのである。これを「ロンダリング」と言わず何と言うのか。
その上、この維新による文通費の使い方が批判されていた2021年11月、『報道1930』(BS-TBS)に出演した馬場氏は、司会の松原耕二キャスターから「領収書を公開すればいいのか」と問われた際、「文通費の使途は決まってない」「個人の良心に任せる。飲み食いに使っても構わない」などと開き直っていたのだ。藤田幹事長は維新の文通費問題に対する批判を「理解の浅い勉強不足の人が言っているだけ」などと述べたが、国民の税金からなる文通費を“第2の財布”扱いしてきたくせに、まったくよく言ったものだ。
しかも、維新は文通費のロンダリングが批判されたことを受け、昨年から自身の政治団体への寄付を禁じ専用口座で管理することとしたのだが、藤田幹事長はその内規の変更を持ち出し、馬場氏の文通費ロンダリング批判について、こう述べたのである。
「そういう意味で、マネーロンダリングしてるとか自分のために使ってるとか、使途不明やとか、そういうようなことは完全なデマなんで。それについては報道のあり方としてどうなのかなと。報道なのか、もはやわからないですけど」
繰り返すが、馬場氏が2016年から2021年の6年間、文通費の約74%にあたる約5318万円を政治団体に横流しするという行為をおこなっていたのは、公開情報に基づいた歴然たる事実だ。それを「完全にデマなんで」と反論するとは、それこそデマではないか。