11月10日の出演以後、11月17日放送回にも玉川氏は出演予定だったが、新型コロナ感染で欠席。12月1日に元気な姿を見せてくれたが、この日のテーマは緊急承認されたコロナ治療薬「ゾコーバ」について。コロナの問題は玉川氏が追いかけてきたテーマであるため、まだ理解できるものではあったが、つづく12月16日の出演回のテーマは、なんと12月28日をもって閉店したフレンチレストラン「オテル・ドゥ・ミクニ」の三國清三シェフのインタビューだったのだ。
言っておくが、三國シェフのインタビューが放送された12月16日は、岸田政権が安保3文書改定を閣議決定し、戦後安保の大転換を図った日だ。そのような歴史的な政策転換がおこなわれるという日に、玉川氏がやる必要などない三國シェフのインタビューを特集するとは──。
しかも、三國シェフといえば、幻冬舎の見城徹社長と昵懇の仲であることは有名な話で、12月14日に発売となった三國シェフの自伝『三流シェフ』の版元も幻冬舎だ。見城氏はテレ朝の放送番組審議会の委員長を務めており、テレ朝のさまざまな報道・情報番組で安倍政権に批判的な出演者が降板させられ、政権批判報道が減った背景にも、見城氏の影響があると言われてきた。当然、安倍政権批判を繰り返してきた玉川氏に対しても、睨みを利かせてきたと思われる。ところが、“見城案件”としか思えない三國シェフのインタビューを、よりにもよって玉川氏がおこなったのである。
「玉川氏の『電通』発言問題が議題となった審議会でも、見城氏は強行姿勢をとったと囁かれています。なのに、幻冬舎から出たばかりの本の宣伝ともいえる三國シェフのインタビューを玉川氏に担当させたのは、見城氏へのご機嫌取りの意味合いがあったとしか考えられません。玉川氏は無理矢理やらされたんでしょう」(テレ朝関係者)
当然、この12月16日の放送回で、玉川氏が安保3文書改定の閣議決定や防衛費増額について発言する場面はなし。その後、玉川氏は12月28日放送回にも出演したが、この日のテーマはコロナ後遺症だった。