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防衛省のロシア並み情報操作計画発覚に岸田首相は「事実誤認」と否定するも大嘘! 入札企業に「主目的は国内世論工作」と説明していたことが判明

13日の浜田靖一防衛相定例会見(防衛省HPより)


 岸田文雄首相が打ち出した防衛力強化のための防衛費増額だが、その財源をめぐり、増税派の岸田官邸・財務省と国債発行派の安倍派によるバトルが勃発。メディアもこのバトルを大々的に報じている。

 まったくとんだ茶番劇だ。国民生活が疲弊するなかで法人税のほか復興税を防衛費に流用するなどという暴挙に出ようとしている増税派はもちろん、戦時国債を膨らませて経済破綻に陥った戦前の教訓も無視し、国民の借金で軍拡しようという国債発行派も論外だ。

 そもそも、増税か国債か以前に、防衛費増額に何の正当性もない。敵基地攻撃能力の保有に現実性がないことは多くの専門家が指摘している上、アメリカ製の巡航ミサイル「トマホーク」の最大500発の購入や、これまでアメリカから言い値で爆買いしてきた兵器に巨額が注ぎ込まれるだけだろう。

 ところが、メディアの報道もほとんどが防衛費増額は既定路線として伝え、財源の議論しかしない。軍拡はすでに決定事項だと言わんばかりだ。

  しかも、この軍拡の既定路線のなかで、さらに恐ろしい問題が浮上。共同通信が9日付で「防衛省AI技術を使い、SNSで国内世論を誘導する工作の研究に着手した」と報じたのだ。ちなみに、この記事を執筆したのは、長きに渡って防衛省・自衛隊を取材し、数々のスクープや特ダネを放ってきた共同通信専任編集委員である石井暁氏だ。

 記事によると、防衛省の構想では、〈インターネットで影響力がある「インフルエンサー」が、無意識のうちに同省に有利な情報を発信するように仕向け、防衛政策への支持を広げたり、有事で特定国への敵対心を醸成、国民の反戦・厭戦の機運を払拭したりするネット空間でのトレンドづくりを目標としている〉という。

 防衛省は〈戦闘形態を一変させるゲームチェンジャーになるとみて、日本も、この分野の能力獲得が必要だと判断〉したといい、〈改定される安全保障関連3文書にも、情報戦への対処力向上を盛り込む〉という。

 政府関係者は、こうした国内世論の誘導工作について「表面化していないが各国の国防、情報当局が反戦や厭戦の世論を封じ込めるためにやっていることだ」などと述べているが、ようするに、現在の中国やロシアが自国の正当化のためにおこなっている世論誘導と同じことを本格的にやるというのである。

 戦前の日本は大本営発表と言論統制によって戦争に突き進んでいったが、その反省もなく、安保の大転換・軍拡のひとつとして、またも戦争に駆り立てるプロパガンダで国民を煽動しようというのだ。

 当然、この問題が報じられると、SNS上では「国によるマインドコントロールそのもの」「簡単に言えば、著名人や有名アカウントに「Dappi」になってもらおうということだ」「憲法理念の破壊、自由主義やデモクラシーの破壊に繋がる」「防衛省の考える情報戦の相手は自国民なのか」などと反発の声が巻き起こった。

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