高市早苗Twitterより
三重県議が「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだったという分析が出ていると高市早苗さんが話した」と述べていた件について、発信者である三重県議が訂正・謝罪会見をおこなったことにつづき、本日7日になって高市早苗経済安保担当相も閣議後会見で発言を否定した。
高市氏といえば、軍事力強化や改憲による国防軍の明記を声高に叫んできた“安倍晋三の後継者”であり、現役の閣僚だ。そんな人物が「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸=中国」などという陰謀論めいた話を吹聴していたとなれば、玉川徹の誤報コメントどころではない大問題であることは言うまでもない。しかも、双方が揃って訂正・否定をおこなったことによって、幕引きを図ろうという意図がミエミエだ。
しかし、高市氏が発言を否定したいまも疑念は払拭されないばかりか、膨らむばかりだ。
まず、騒動をおさらいすると、今月2日、自民党三重県連の副幹事長を務める小林貴虎・三重県議が〈国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだったという分析が出ているという。今日の講演で伺った話〉とTwitterに投稿。さらに4日には〈私が総理大臣になって頂きたいと強く願っている高市早苗先生が、政府の調査結果としてお伝えいただいた内容です〉と投稿、報道陣の取材に対しても「誰が話したかって話ですよね。高市早苗さんです」と回答し、2日におこなわれた名古屋市での日本会議の会合で実施された高市氏の講演のなかで話されたものであると説明した。
詳しくは後述するが、そもそも小林県議は同性愛者攻撃や韓国ヘイトまがい投稿をおこなってきた“ネトウヨ議員”であり、「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだと高市氏が話した」と明かしたのも、「高市さんが素晴らしい話をした!」といった想いで投稿したと思われるものだったわけだが、当然、現役閣僚がこんな発言をしていたのかと大騒ぎに。そんななか、高市氏は4日夜、このようにツイートをおこなった。
〈腕の耐え難い痛みでMRI検査を受けている間に、不正確な情報が。日本には情報操作(偽情報)対策の法律が無いので、政府が調査をすることは出来ません。海外機関による調査情報の収集は可能ですが。国防上の懸念もあり、法整備検討の必要性は3年前に党から提案しました。〉
もし「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだった」などと一言も言っていないのであれば、「でっちあげ」「虚偽の流布だ」と否定すればいい。ところが、高市氏は発言自体を否定することも、小林県議に抗議することもせず、「不正確な情報」だと述べ、「政府の調査」だけを否定したのだ。
これは毎日新聞が出した質問状に対する回答でも同様で、高市氏は「政府調査」の部分だけを否定し、「『国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだったという分析が出ているという』という趣旨の発言をしたのか」という質問などには回答しなかったのだ。
しかも、ネット上では“傍証”も発見された。というのも、「10月2日に名古屋で高市氏の講演を拝聴した」と投稿している人物が、講演がおこなわれた2日の夕方、〈「国葬儀反対」のツイートの8割が支那発だった、と聞いた。なるへそ!!〉と投稿をおこなっていたのである。