こうした経緯から、当然ながら下村氏に疑惑の目が向けられるようになったわけだが、下村氏は13日、〈文化庁に確認したところ〉と前置きした上で〈大臣に伺いを立てることはしていない〉〈今回の事例も最終決裁は、当時の文化部長であり、これは通常通りの手続きをしていた〉などと綴った書面をTwitter上に投稿。21日には「文化庁の担当者から、そういう書類が来たということは事前に報告があった」としつつも、「(私は)まったく関わっていない」と名称変更への関与を否定したのだ。
しかし、この下村氏の説明にはただちにツッコミが入り、その嘘が明らかになっていっている。
まず、統一教会を長年取材し、国会でも問題を取り上げてきた有田芳生氏は、名称変更がおこなわれた2015年当時に有田事務所が文化庁宗務課に確認した際、「文化部長が「専決者」となっていますが、本件については大臣に事前に説明いたしました」という回答を得ていたことを記す文書を公表。この“有田文書”の内容について、日本共産党の宮本徹衆院議員が文化庁宗務課に確認したところ、下村氏へ事前説明したことを認めたのだ。
さらに、統一教会が1997年に名称変更の相談を文化庁におこなった際、担当課長として対応にあたった前川喜平・元文科事務次官も、TBSの取材に対して「(当時)実態が変わっていないのに名称だけ変えるという規則変更は認められませんから、受理しませんと(対応した)」ことを証言し、下村氏の「文化庁の担当者から、そういう書類が来たということは事前に報告があった」「まったく関わっていない」という主張をこう一蹴した。
「それはあり得ないですね。報告を最初に受けたときに、指示してますよ。その指示を仰いだってことですよ、その『最初の報告』というのは」
「(統一教会の場合)前例は受理せず・認証もせずという対応の仕方をしてきてるわけですから。役所は何の指示も与えられなければ前例を踏襲しますからね。だから、大臣の指示を仰いで、指示があったとしか考えられないんですけどね」
その上、下村氏の疑惑がさらに膨らむ爆弾を「週刊文春」(文藝春秋)が投下。名称変更の前年である2014年6月24日に、統一教会の関連団体・世界平和連合の幹部が文科相である下村氏に陳情をおこなっていたことが記された下村事務所の内部文書を突きつけ、この幹部が2013年に下村氏のパーティ券を購入していたことを暴いたのである。