そもそも、松井氏率いる維新は、今回の署名運動に対して嫌がらせのような行動にまで出ていた。というのも、署名運動の活動期限だった25日に市民団体側は17時から阿倍野区の天王寺駅にほど近いあべのキューズモール前で「これまでの集大成」として署名ステーションを設置したのだが、これに対して維新は、署名ステーションから徒歩5分ほどの場所にある天王寺MIO前で、休日でもない平日だというのに17時から街頭演説会を実施。なんと吉村知事まで駆けつけたのだ。どう見ても署名活動への嫌がらせとしか思えないが、嫌がらせも虚しく署名数が法定数を超えると、今度は「影響はない」などと言い放ったのである。
維新にとって「1丁目1番地」である都構想については「究極の民主主義」と掲げて住民投票を2度も強行しておきながら、法定数を超える府民の署名を集めた大阪カジノ誘致の賛否を問う住民投票の実施は議会の数の力によって否決しようとする──。このご都合主義の二枚舌こそが、松井氏ならびに維新の本質・実態なのだ。
もちろん、この松井氏と維新の蛮行を伝えることこそ、メディアの責務だ。吉村知事による新型コロナの失策によって大阪府のコロナ死亡者数は全国の都道府県ではじめて5000人を超えたが、なおも吉村知事の責任を徹底追及する報道はほとんどおこなわれていない。一方、今回の署名運動についても、在阪メディアは活動期限を迎えるまでほとんど報じようとしなかった。しかし、それでも法定数を超える署名が集まったという事実は、府民の大阪カジノに対する関心の高さをよく表している。この民意を、維新ならびに在阪メディアがスルーすることは、けっして許されないだろう。
(編集部)
最終更新:2022.05.29 07:01