安倍・菅政権のコロナ失政をごまかし、総裁選では二股、岸田政権ができたら岸田首相とちゃっかりお食事
御用ジャーナリストの代名詞的存在であり、このランキングでも毎年上位常連となってきた「田崎スシロー」こと田崎史郎氏だが、2021年は“ご主人様”のひとりである菅首相が途中で辞職。自民党総裁選ではもうひとりのご主人様・安倍元首相の推す岸田・高市につくのか、このところ急接近していた河野・小泉コンビにつくのか腰が定まらず、後半は存在感が希薄になった。
しかし、菅首相が辞任するまでは、そのコロナ失政や東京五輪強行を支離滅裂な論理で擁護しまくっていた。いや、それだけじゃない。菅首相が抜擢した山田真貴子内閣広報官に菅の長男・正剛氏ら東北新社幹部との違法会食が判明。山田広報官がいきなり入院してそのまま辞職するという露骨な「山田隠し」がおこなわれたときも、田崎氏はまるで山田氏自身が保身で勝手に入院したかのように解説。挙げ句、山田氏が受けた7万円超えの違法会食についても、「山田さんは3万円しか食べていないんですね」などと発言していた。山田氏は国家公務員倫理規定で禁止されている利害関係者の接待を受けていたことが問題になっていたというのに「7万円ではなく3万円分しか食べていない!」などと食べた量を強調したのだ。
このように、アクロバティックすぎてもはや擁護にすらなっていない世迷いコメントを連発した田崎氏だったが、2021年で忘れてはならないのが、3月16日に『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)で発したこのコメントだろう。
この日、田崎氏は「やっぱりPCR検査なんです」などと言い出し、こうつづけたのだ。
「僕はいまでも覚えているのが昨年(2020年)のクルーズ船のことがあったとき、PCR検査を300件しかやる能力がないという話だった。6月ごろでしたか、安倍政権時代の安倍総理の側近の人が『悔しいけれども、玉川さんの言うとおりだ』と。『PCR検査をしなきゃいけなかったし、いま、それをしないといけない』(と言っていた)」
ご存知のとおり、『モーニングショー』レギュラーの玉川徹氏は早い段階から「PCR検査を増やすべき」と指摘しつづけ、「PCR不要派」の橋下徹氏などから名指しで猛攻撃を受けてきた人物。官邸がワイドショーを中心にテレビ番組の監視をおこなっていたことが情報公開請求によって明らかになったが、そこでも玉川氏はコメントが仔細に書き起こされ、監視対象とされていた。
それを、1年以上も経って田崎氏は「悔しいけれども、玉川さんの言うとおりだ」と安倍首相の側近が話していた、などと言い出したのである。
といっても、田崎氏は降伏宣言をしたわけでも反省したわけでもない。そのあとに、「安倍首相が『厚労省にいくら言っても馬耳東風なんだ』といっていた」「厚労省が悪いのか、その先の保健所に問題があるのか、さらにその先に問題があるのか、わかりませんけども、いま、それが現実」などと付け加えたのだ。
2021年になると、さすがにPCR検査の必要性を疑う声は小さくなり、むしろ日本のPCR検査の遅さについて責任を問おう声が改めて大きくなっていた。そこで、安倍元首相やその周辺があらためて“悪いのは厚労省や保健所”と責任逃れしようと、田崎氏を使ったのだろう。
自分たちの失政で多くのコロナ犠牲者を出したというのに、この期に及んで責任逃れの情報操作とは、安倍元首相の悪質さにあきれ果てるが、これはその手足として動いている田崎氏も同罪だ。
しかも、田崎氏は12月27日に岸田首相と会食するなど、岸田政権にもがっつり食い込み始めている。「田崎スシロー」はまだまだ健在、ということだろう。