市民の命と安全を守ることには目を向けることもなく、党勢拡大で頭がいっぱい──。あまりにも市長として無責任だと言わざるを得ないが、松井氏の「市民・府民軽視」はいまにはじまった話ではもちろんない。
実際、松井氏が大阪府知事を務めていた2018年9月には、大阪は台風21号の直撃を受け、家屋倒壊や冠水、停電や倒木などの被害に見舞われたが、松井氏はとくに南部で大きな被害が出た同月4日まで目立った情報発信をほとんど何もせず、自ら陣頭指揮を取るべき災害対策本部も設置せず。さらには、府内で停電がつづくなど多くの府民が不自由な生活環境に置かれているさなかに、松井氏はなんと沖縄県知事選の自公候補・佐喜真淳氏を応援するために沖縄入りし、挙げ句、9日からは万博開催地投票対策と称してイタリア、デンマーク、ハンガリーの3カ国を回る1週間の外遊に出かけてしまったのだ。しかも、台風被害により関西国際空港が使えないため、わざわざ愛知の中部国際空港セントレアから出発したのである。
さらに、記憶に新しいように、大阪では昨年の10月下旬からコロナの新規感染者数が右上がりとなっていたというのに、松井市長は吉村洋文・大阪府知事と一緒になってわずか5年前に否決されたばかりの「都構想」の2度目の住民投票の運動にかまけ、案の定、11月には人口比でいえば東京を上回る感染拡大を招いた。
しかも、松井市長が言語道断なのは、このように市民の命と安全を守るという責務を果たそうともしないくせに、市民に要請しているコロナ対策を破って「維新30人大宴会」に参加していた件について、いまだに市民に対して謝罪の一言も口にせず開き直っていることだ。
一体どうしてこのような男やその輩どもが支持されてしまうのか──。大阪市をめぐっては、カジノ建設予定地である夢洲の土壌改良などに約800億円を市が負担するという概算をまとめたというが、大阪市民はこの男にお灸をすえなければ、ますます増長し、安全面でも経済的にも市政は取り返しがつかないことになるだろう。そして、これが維新代表の実態なのだということを、全国の有権者は忘れないでほしい。
(編集部)
最終更新:2021.12.20 10:11