しかし、伊藤さんに対してこうした卑劣な攻撃・二次加害を仕掛けてきたのは、はすみ氏だけではない。
じつは国会議員までが山口氏を擁護し、はすみ氏と同様の論理で攻撃してきたことを忘れてはならないだろう。
その典型が、「性的マイノリティには生産性がない」論文で知られる極右性差別主義者の杉田水脈・自民衆院議員だ。杉田議員は、伊藤さんに対する誹謗中傷ツイートに「いいね!」を押したことが名誉毀損にあたるとして、昨年8月に提訴されており、その裁判の行方にも注視したいが、杉田議員の伊藤さんに対する攻撃はそれだけではない。
杉田議員は、はすみ氏に当選運動に協力してもらい、ブログやTwitterはすみ氏に謝辞や誕生日祝いのメッセージを送っている昵懇の仲だが、BBCの番組に出演した際、「彼女の場合はあきらかに、女としても落ち度がありますよね」と伊藤さんを貶める発言をしている。
また、杉田議員は2018年2月にも、『日本の病巣を斬る!』なるネット番組で、そのはすみ氏と共演し、「私はああいう人(伊藤さんのこと)がいるおかげで、本当にひどいレイプ被害に遭っている人たちのことが、おろそかになってしまうんじゃないかっていうようなことをね、(BBCに)言いました」などと自慢げに語っていた。
この『日本の病巣を斬る!』には同じく自民党の長尾敬・前衆院議員が出演して、その主張に同調していた。長尾・前議員といえば、例の「泉放送制作デマ」のフェイクニュースを拡散するなど、これまた筋金入りのネトウヨ議員だが、杉田議員から「これね長尾先生、国会でやるでしょ?」と振られると「ハハハ、これね(笑)。おかしいよね」と応じていた。
しかも、長尾・前議員は会社員時代に「60代ぐらいの女性はしょっちゅう抱きついていた」などと笑みを浮かべて語り、「だんだんスキンシップの仕方が変わってきて、相手次第でゾッとするようなやりとりになるっていうのは世知辛い」「受けている側の恣意的なことで全部それが進んでいきますから法的に」などとセクハラの正当化とも受け取れる問題発言まで繰り出していた。