日本維新の会HPより
文書通信交通滞在費(文通費)の問題をめぐり、昨日26日、日本維新の会代表の松井一郎・大阪市長が、12月に召集される国会で文通費見直しの独自法案を提出すると公表した。この間、「日割り支給」の法改正で自民党と立憲民主党の方針が一致したことに対し、維新の副代表である吉村洋文・大阪府知事や“維新の広告塔”となっている橋下徹は、しきりに「自民と立憲が、結託して、文通費問題を日割りで終わらせようとしている」「日割りにだまされるな」と吠え、「領収書の公開」や「未使用分の返還」が重要だと言い、維新が文通費の使途を独自公開していることがあたかも「クリーンな政党」の象徴であるかのように印象づけてきた。
たしかに「領収書の公開」は公費の流れを透明化するという意味で当然おこなわれるべきものだ。だが、本サイトでは繰り返し指摘してきたように、維新がHP上で公開している文通費の使途報告書を見ると、議員が自分が代表を務める政党支部や資金管理団体に寄付するという「セルフ領収書」が平然と横行。さらには、吉村知事が衆院議員時代に在職日数1日で100万円を受け取っていた際の使途報告書はいまだに公開されておらず、吉村氏が100万円をどう使ったのかも不明な状態にある。この有り様で何が「身を切る改革政党」「クリーンな政党」か、という話だろう。
しかも、昨日26日、総務省が公表した2020年分の政治資金収支報告書などを見ると、維新議員による、絶句するような文通費の使い方がまたも判明したのだ。
そもそも、文通費は「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため」のものとされているが、前述したように維新の議員は、文通費の多くを自分が代表を務める政党支部や資金管理団体に横流し。政治団体に寄付として還流させることで文通費が政治資金に化けてしまっている。
だが、さらに問題なのが、維新の議員がその政治資金を信じられないものに使っている、ということだ。
その筆頭が、室井邦彦・参院議員だ。室井議員は維新の参院幹事長や参院懲罰委員長を務める人物だが、室井議員もご多分に漏れず文通費を政治団体に横流し。2020年には総額1401万2873円もの文通費を、自身が代表を務める政党支部「日本維新の会参議院比例区第53支部」に寄付。そのうち少なくとも1050万円を「政治活動費等」に充てたと使途報告書では記載している。
ところが、2020年分の同政党支部の政治資金収支報告書を確認すると、「政治活動費」から、「世界メシア教会尼崎浄霊センター」に講習会費や会合費として合計4万5000円、同じく講習会費として「真光尼崎小道場」に3万円が支出されていたのだ。