『ひるおび!』に出演する松井代表
衆院選を前に、例のごとく、自民党応援団の野党叩きが活発になっているが、連中がやたら俎上に上げているのが、10月5日放送の『ひるおび!』(TBS)の野党4党の幹部の生討論だ。
立憲民主党・福山哲郎幹事長、日本共産党・小池晃書記局長、国民民主党・玉木雄一郎代表、日本維新の会・松井一郎代表が出演して、討論を繰り広げたのだが、一部スポーツ紙が「制止不能の大げんか」などと報道、産経の御用記者・阿比留瑠比氏もこのくだりを使って「立民と共産 選挙目当てのごまかし」などと展開。
しかし、これ、「大げんか」といっても、維新の会の代表である松井一郎・大阪市長が、「外交と安保が一致していないのに、協力するのはおかしい」「立憲民主党はよく共産党と組む覚悟したな」などとひたすら立憲民主党と共産党に、ウザ絡みしていたにすぎない。
立憲の福山氏と共産の小池氏はどう協力していくかを冷静に説明していたが、何を言っても、松井氏が「日米安保同盟は?」「自衛隊は?」などと絡み続けるために、それへの回答にばかり時間を取られ、結局、1時間近く討論の時間を取りながら、各党が自党の政策についてまともに語れたのは討論終了間際、4党合わせてわずか8分程度だった。
維新の代表として出演しているのに維新の公約すらろくに説明せず、ひたすら立憲と共産に絡み続けた松井氏の行動は、野党共闘に水をさすために出てきたとしか思えないもの。そういう意味では、維新が自民党の補完勢力にすぎないことを改めて証明したといえるだろう。
しかし、ひどかったのは松井氏だけではない。放送した『ひるおび!』という番組の姿勢も大いに問題だった。
当初、政権応援団の『ひるおび!』が野党を出演させると聞いて、先日の八代英輝弁護士の共産党デマ発言に反省しての行動かと思っていたのだが、ふたを開けると逆。むしろ“野党下げ”のために仕掛けたのか、と言いたくなるくらいの、番組構成と番組進行だった。