総務相となった金子恭之(衆/熊本4区)も、2002年に地元の川辺川ダム事業関連業者から当時自民党幹事長だった山崎拓の選挙区支部・資金管理団体を経由させた約1000万円の迂回献金疑惑が報じられている。
さらに、「続投組」である茂木敏充外相(衆/栃木5区)には、女性記者へのセクハラ常習疑惑が持ち上がっただけでなく、地元選挙区で「衆議院手帖」180万円分相当を配布していた公選法違反疑惑を「週刊新潮」が報道(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2018/01/post-3757.html)。重量級の経産相へと横すべりした萩生田光一(衆/東京24区)も、1600万円の迂回献金疑惑ならびに2017年の衆院選期間中に防衛省と取引のあった企業から100万円の寄付を受けていた公選法違反疑惑がある(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2019/09/post-4995.html)。
このように、「政治とカネ」問題で名前が挙がってきた閣僚が山盛り状態の岸田内閣。岸田首相は自身の地元である広島で起こった河井夫妻の選挙買収事件における党本部からの1億5000万円問題にかんしても「必要であれば説明する」と発言していたが、甘利明幹事長は早々に「再調査する考えはない」と宣言。ようするに、総裁選では「政治とカネ」問題について丁寧な説明と透明性の確保を謳いながら、岸田首相はそれを反故にしようというのである。
当然だろう。「政治とカネ」問題を掘り下げれば、河井事件の1億5000万円問題はもちろん「桜を見る会」問題など、安倍晋三・前首相の関与や責任が問われることになる。そこに手を突っ込むことなど、傀儡の岸田首相には天地がひっくり返ろうとも絶対に不可能だからだ。そして、自民党は「生まれ変わる」こともなく、同じような「政治とカネ」の問題を平然と繰り返していくのは間違いない。
選挙大規模買収事件に反省のひとつもない岸田政権を看過するのか否か。10月31日投開票で決定した次の衆院選でその審判を突きつけるしかないだろう。
(編集部)
最終更新:2021.10.04 09:36